主人の父親が昭和24年に立ち上げました。その父が亡くなった平成5年から、私が続けています。自分がお店をやるとは思っていませんでしたが。
父は重い病気にかかり、余命3か月と言われました。平成元年のことです。同じ時期に母の病気も見つかり、母が先に他界してしまいました。そのとき医師に「お父様に生きがいのある生活をさせてあげなさい」と言われたんです。趣味を楽しめる環境を整えることも考えましたが、父にとって生きがいはお店だったんですよ。お客様とお話しする、問屋さんとやりとりをする、それが生きがいだったんです。店をたたむと元気がなくなるだろうということで、「私が手伝うからお店を続けましょう」ということになりました。症状がひどくて、医学的な療法はほとんどしていませんでしたが、自分のリズムで生活をしていたらその後5年も頑張れたんですよね。そのときに生きがいのある生活は大事なんだなとつくづく思いました。
私どもは一般の書籍や雑誌以外に教科書販売もしているのですが、ピークの新学期の時期は肉体的にとても忙しいばかりでなく、気が張り詰めていて、病気になっている暇がないです。ところが、具合が悪くなるのはいつも教科書販売が落ち着いて気が緩むゴールデンウイーク頃なんですよね。気持ちが大事なことを痛感しています。「病は気から」ってほんとですね。
商売は生き物なので日々変化しているっていうことですね。日々起こることに対して自分が工夫、努力した分だけ返ってくると思っています。毎日の変化に立ち向かうという意味で、商売は「私の生きざま」ですね。
書店業界も他の業界と同じく厳しいですが、まだ何かやれることがあるんじゃないかなと常日頃考えています。例えば、高齢化が進む中、みんながインターネットを使いこなせるわけではありませんから、そんな中に、私どもだから埋められるようなすき間を探すようなことをしています。こういった探求心が「私の生きざま」そのもののように思っています。探求心がなくなったときは商売を辞めるときでしょうね。
これから起業する方々、独立する方々にエールをお願いします。
夢をあきらめないことだと思います。夢があれば、強い気持ちが生まれ、おのずと工夫や努力をすると思います。そうしていれば、結果は後からついてくと私は信じています。夢に向かって頑張ってくださいね。