めっき業の3代目ということですが、最初から継ぐつもりだったのですか?
実は継ぐつもりはなかったんです。両親は、はっきりとは言わなかったのですが、本心では継いでほしいと思っていたのでしょう。結果、20代半ばでこの会社に入り、父が亡くなった2年前より代表となりました。 実は、6年前まで渋谷区恵比寿で家業を営んでいました。取手に移転を決めたのは、近所のめっき工場がどんどんと時代の流れとともに撤退していき、私たちも自然消滅的に撤退するか、もしくは新天地にて継続するかの選択を迫られたためです。まだ私も30代半ばで若かったこともあり、移転を選びました。もともと茨城は既存のお客様が多かったので、移転先は東京・千葉・埼玉にアクセスが良い取手市を選びました。移転の際に工場の規模を拡大し、日本最大級の大型の素材にも対応できるようにしたり、硬度と耐摩擦性に優れた表面処理加工の開発をしたりしました。これが現在の弊社の強みになっています。場所も規模も変わりましたので、第二創業みたいな感じですね。
移転前は決まったお客様との取引が多かったので、営業はあまり必要ありませんでした。しかし、移転当初は思ったほど仕事が取れずキツイ時期もあり、いろいろと考えさせられました。でも、その時の経験が現在につながっていると感じており、今ではあの頃に感謝しています。当時は「このくらいの規模の会社と取引をしたい」などと夢見ていましたが、今ではおかげさまでそれらも実現することができました。
「お客様の期待値以上を提供する」
私たちは製造業ですが、サービス業だと思っています。品質が良いのはもちろんですが、それだけでは他社となかなか差がつきません。短納期対応やアフターサービスなど、かゆい所に手が届くサービスを提供して、お客様に求められる存在であり続けたいですね。