vol.165
株式会社ブームス
山崎 徹さん
Title
「お客さんの心に いかに寄り添えるかが大事」
スタイリッシュな家具を手頃な価格で提供する「BOOMS」。代表取締役の山﨑さんは、老舗家具屋の5代目として生まれました。ところが35歳の頃に会社が倒産。莫大な借金を抱えながら元取引先の家具問屋に就職しました。「二度と家具屋なんてやらない」と心に決めましたが、そこの社長から「うちの商品を貸してあげるから、自分で店をやりなさい」と言われます。週4日は従業員として働き、残り3日は店を切り盛り。社長の恩に報いたい一心で、がむしゃらに働いたそうです。
その1年後には家具屋として独り立ちすることに。「当時の家具は昔ながらのデザインが多く、30代の自分がやっと欲しいものに出会っても、値段が高くて手が出ない。だから同世代の人が、見た目も価格も満足できるカジュアルな家具を扱おうと思いました」(山﨑さん)。本店を移転後、もともとの店舗を「secret GATE」として再オープン。そんなとき、常連さんにかけられた「何も買わずにごめんなさいね」という言葉が山﨑さんの心を動かします。そう思う人が少なからずいるのなら、コーヒーでも用意してふらりと立ち寄れる場所にしようと。こうして売り場の一部をカフェとしてリニューアル。「お店とお客さんとの距離が近付けば、必要なときに僕らを思い出してくれる」と話す通り、地元で長年愛されるBOOMS。その理由は、ふとした一言も聞き漏らさず、サービスに反映させる山﨑さんの真摯な姿勢にあるのでしょう。