6代目ということですが、昔から人形店だったのですか?
人形だけを扱うようになったのは父の代からです。最初は、「油市(あぶいち)」という名前の通り、油屋でした。創業当時は電気がなかった時代で、行燈(あんどん)などの油の量り売りをしていました。その後、ロウソクのメーカーになり、電気が普及してからは雑貨屋になり、雑貨の中のひとつとして人形を扱っていたのです。そして取手駅前に大型ショッピングセンターができたときに、専門店でないと生き残れないだろうということで、人形の専門店にしました。
私が継いだのは平成12年です。バブルのときは恩恵を受けていたようですが、今はそういうわけにはいきません。しかも東日本大震災は五月人形を売り出す直前だったのですが、ガラスケースが割れ、きれいに飾り付けをした展示物が全部倒れるなど大きな被害を受けました。苦難に直面したこともありますが、真面目に生きていれば、世の中は見捨てないんだなと感じています。
どれだけ良いものをどれだけ安く提供できるかということです。私たちはメーカーとの関係を築いて、メーカーに足を運んで商品を選んでいます。問屋を通すなら、カタログを置いておいて注文すれば良いのですが、仕入れて売るだけのところはみんな撤退していて、本物しか生き残らない時代だと感じています。良いものを安く提供するためには努力を惜しみません。
「やらないで悔やむなら、やって悔やんだほうがいい」と思うんですよ。失敗も経験、スキルになります。経験値こそ宝です。失敗を恐れていたら何もできないと思うのです。私たちは毎年新しいことを企画するなどチャレンジしています。もちろんあまり上手くいかないこともあります。3つやって1つ成功したら良いほうだと思いますので、たくさんチャレンジして、失敗も次に活かそうと努めています。これからもチャレンジし続けていきたいですね。