取手市東にある「石引写真館」の2代目オーナーがなぜ新たに起業を?
私が「石引写真館」のオーナーになったのは、ちょうどフィルムからデジタルへ移行する時代でした。父親(初代)と写真に対する考え方や技術的な事で意見が合わずに苦労した時期があり、その経験から次の代に譲るときは潔く身を引きたいという思いが強くなっていたのです。
60歳を目前とした頃、長男から選手交代を告げられました。正直、何も考えていなかったので驚きましたね。
今後の生き方を考えていた時、両親が住んでいた家が空き家となったので、その場所を理想の写真スタジオにしようとリノベーションしました。ここでは主に、私が昔から撮り続けている肖像写真を撮影しています。目指すのは、エンディングポートレート(R)としても使ってもらえる「お気に入りの1枚」。政治家や芸能人などの著名人は、いわゆる宣材写真やプロフィール写真を持っていますが、一般の人で持っている人は少ないでしょう。「お気に入りの1枚」が人生を考えるきっかけにもなると思いますので、多くの人にそのような写真を持っていただきたくて、この写真館を作ったのです。
「肖像カフェ」を作った背景には、憩いの場として人が集まってほしいという思いもあったので、レンタルギャラリーやガーデンスタジオ(畑テラス)も併設しています。森の中の隠れ家的な写真スタジオですが、来てくれた方たちにくつろいでいただけたらうれしいです。このスタジオを人とのつながりが生まれるような場所にしていきたいですね。
転がる石に苔むさず
私は小学校の頃からThe Rolling Stonesの大ファン。「転がり続ける(Rolling)」、「石(Stones)」には、苔がむすことはありません。自分の人生も転がる石のように立ち止まらず、常に前向きな気持ちでいろいろなことにチャレンジをしながら前進していきたいです。