私は35年間、東京で廃棄物を取り扱う建設コンサルタントの会社に勤めていました。当時は60歳が定年。定年後の人生をどのように過ごそうかと考え、廃棄物処理を仕事にすることを思い立ったのですが、それにはまだまだ知識が不足していることに気付いたのです。そこで、廃棄物についてもっと学んでみたいと思うようになりました。建設コンサルタント時代にお世話になっていた廃棄物処理のエキスパートに相談し、その方の紹介で福岡大学大学院(衛生工学)に2年間通い、一般廃棄物について学びました。
卒業後も担当教授の紹介で、奈良にある産業廃棄物処理会社の東京事務所で3年間、知識を増やし技術力を高めるために修業。その後、64歳の時に起業をしました。
弊社の主な業務は施工監理で、これまで災害廃棄物の処理計画と監理を行ってきました。
東日本大震災の発生時には現地へ赴き、環境省や県・市町村の意を受けながら津波で発生した廃棄物を適した方法で集めて、所有者確認をしながら仕分けをしました。このような作業には、その土地に詳しいシニア技術者の力が必要です。建設会社などで定年を迎えた技術者を積極的に雇用し、全国で活用できるようにしています。これから先、いつまた大災害が起きるか分かりません。まだまだ仕事ができるシニアの技術者を今後も確保し、その技術を有効活用していきます。今期は留学生も採用し、後世に技術が受け継がれるように技術者の育成にも取り組んでいます。
支えてくれるシニア技術者を大切に
災害廃棄物の処理は現地での判断が必要なため、家族を郷里に残して仕事に来てくれているベテラン技術者が多いです。当社はこれらのシニア技術者たちによって成り立っています。その技術者を大切にしていきたいです。