お店を継ぐことは小さいころから決まっていたのですか?
親には「継げ」と言われたことはないですよ。でも20歳くらいのときかな。ある日、寝ようとしたときに「やらなきゃ」という気持ちがむくむくと湧いてきて、それから修行に出たんですよ。使命感ですかね。自分がやらないと、うちの家業が途絶えちゃうので。そして、決めた以上はやり抜こうと。
お寿司屋さんって敷居が高いイメージがありますから、構えているお客様も多いんですよね。だから、笑顔で帰ってもらえるように気を付けていますね。いろんなお話をして、ほぐしますよ。コミュニケーションも含めて、サービスですからね。
それから、食べ方を押し付けないことも大切にしています。世間で言われている「お寿司の食べ方」ってあるんですよね。間違っていない部分はたくさんあるのですが、好きなものから食べたらいいじゃないですか。
この間、こんなこともありました。「誕生会があるので、ケーキみたいなお寿司を作ってください」とお客様から頼まれたんですよね。やったことはなかったですが、巻物をアレンジして、ロウソクを立てたりして。これでいいのかなと思いましたけれども、お客様は喜んでくれていました。とにかくお寿司で笑顔になってほしいですね。
これから起業する方々、独立する方々にエールをお願いします。
どこかで腰を据えてやるとなると、「地域との関わり」が必ず出てくるので、大事にしてもらいたいですね。人間関係の中から仕事も広がっていくと思うんですよね。どんどん外に出て行ってね。周りの声を聴くことも大事ですよね。行事に参加すると仲間も増えるし、仕事も楽しくなってくるんじゃないかな。
地元の人たちも新しい人たちと関わりを持つようなきっかけを作っていかなければいけないですね。やる気のある人を育てることが既存の会社・お店の役割ですよ。みんなで盛り上がるのが一番良いですからね。