3つのインテリアショップと、花と緑のお店、カフェを運営されていますが、仕事をするうえで大切にしていることは?
平素の行いですね。
どの業界もそうだと思いますが、以前は特に買う側の人間の立場が強かったんですよ。お客様には頭を下げ、仕入先に対しては威張った態度で文句ばっかり言って。
商売の基本は「買わせていただく」「買っていただく」というものだと考えています。自分は業界の慣例みたいなものに違和感を抱いていたので、常に仕入先に対してもお客様と同じ態度で礼節をもって対応していました。
常に自分を律することを心がけ、嘘をつかない、人を傷つけない、妬み恨みをもたない、公平に正しく物事を見るなど、大変難しいことではありますが人として当たり前のことを続けることが重要だと思います。
平素の行いの積み重ねが、チャンスを与えられるきっかけになると考えています。
私の最終目標は会社を手放すことです。個人でやっていると、私の命とともに会社は消えてしまいます。
法人というのは「法の上に成り立っている一人格」と教わりました。
法が続く限り生き続けられる、自分とは切り離した別人格であると。意思を継ぐ者がいれば「ブームス」は永遠の命を手に入れたのと同じだと。
その為には正しい視点で正しく思考し、正しい経営、正しい組織作りをして人に引き渡す。まだまだ人に渡せるまでに至っていませんので手放せてはいませんが、手放す覚悟をするために会社にしたんです。
これから起業する人、独立する人にエールをお願いします。
自分の経験から「自由ほど不自由なことはない」と思っています。
選択肢が少ないほど、その与えられた環境の中でどのようにして生き延びていくかを徹底的に考えることができます。「何をやろう」「どこでやろう」「どんな形でやろう」選択肢が多いほど迷いが多く、貫き進むための一点を見出しにくくなる気がします。
事を始めるのに迷いが多い人は失敗します。まず自分の立場や環境を受け入れることができ、「今」やることが明確で、これをするべきだと徹底的に考える人間が成功すると僕は思います。
選択肢が多いほうが一見有利に思えますが、私の周囲では選択肢が少ない中で頑張ってきた人のほうが成功している人は多いです。