いえ、考えていませんでした。前職は、ゼネコンでコンクリートの耐久性などの研究をしていました。道路や橋、トンネルなどのコンクリート構造物の維持管理は重要な仕事ですが、優先順位が低くなりがちです。また、縦割りの組織で、設計、施工、調査の全てが分かる人があまりいなかったので、社内の他部門にお願いしようとしても、うまくいかなくて。それなら、自分でやったほうがいいかなと思ったのです。
仕事を通して培った知識、経験、人脈がありましたし、マーケットは確実にある。コンクリート構造物の維持管理がもっと必要とされる世の中になると考えました。
独立したのは十三、四年前ということですが、家族からは反対されなかったのですか?
何も言われなかったですね。私のことを信じてくれていたのかもしれません。面接に来る方でこんな方がいます。内定を出す段階で、「待ってください。家に帰って妻に相談しないといけない」と自分で決断できないのです。日頃からの家族との関係性が大切だなと改めて思います。
計画から点検・計測、試験・分析、劣化予測、評価・判定、対策。維持管理の全てができる会社は創業当時、ほとんどありませんでした。今でこそ増えてきていますが、全てに対応できるのは私たちの強みです。コンクリート構造物の維持管理に関して、正確かつ迅速に対応できる会社でありたいですね。
「正しいことを正確に」
この言葉は、コンプライアンスに反すること、間違ったことは絶対にしない、そして手を抜かない、プラスアルファまで提供するということを意味しています。従業員全員で共有して日々の業務に取り組むために、この言葉を社訓にしています。