模索する中で掴んだ小さい頃の夢

NHKの水戸放送局や首都圏放送センターでリポーターを務め、現在は取手を拠点に活動する牟田祥子さん。華々しい経歴をお持ちですが、「この仕事にたどり着くまでずいぶん遠回りをしてしまって」と振り返ります。短大を卒業後、一般企業に就職するも当時は就職氷河期の真っただ中。「強い動機があって就いた仕事ではなかったので、毎日モヤモヤ。自分に向いていることは何だろうと、習い事もいろいろやりました」。そんな模索の日々の中、ふと子どもの頃の夢を思い出します。「漠然とですが、人前で何かを表現する仕事に憧れていたんです」。興味を持ったらまず行動する性分。取りあえず一歩踏み出そうと、夜間のアナウンススクールに通い始めました。

 
怒涛のNHK時代培ったスキルが糧に

その後、司会業や地域密着のコミュニティーFMでキャリアを積み、努力が実って30歳でNHK水戸放送局に採用。ところが仕事内容は想像以上のものでした。「リポーターといっても実際はディレクター業のウエートがかなり大きくて。ネタ探しに事前取材、原稿作成…。時にはビデオカメラを持って取材に行き、短い動画なら自分で編集をすることもありました」。周囲は年下ばかりという環境の中、がむしゃらに働いた牟田さん。人生で一番忙しい時期でしたが、ここで身に付けたスキルが今の土台となったそう。退職後は話す仕事だけでなく、動画制作や新聞記事の執筆など幅広い仕事に対応。2016年に長男を出産した後は、ブログで子育てに関する発信をしたり、絵本の読み聞かせボランティアに参加したりしています。「人前で表現する」という幼い日の夢をかなえた牟田さんですが、実際にやって気付いたことは「人の話を聞くのが好き」ということ。「取材対象者の魅力を引き出して、たくさんの人に伝えるのがこの仕事のだいごみ。まだ企画段階ですが、オリジナルコンテンツの制作も考えています」

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