はい。学生のころは勉強が嫌いで勉強をしてこなかったので、会社員になっても先が知れている、自分がやりたいことをやるためには社長になるしかない、と考えていました。地元の高校を卒業したころは具体的にやりたいことがなく就職しましたが、すぐに辞めました。その後、テーマを持って3社に入社しました。そして朝昼は働いて、夜は学校に通って、宅建(宅地建物取引士)や建築士などの資格を取得したんです。「30歳のころには地元に戻って起業する」という計画を立ててがむしゃらに頑張りましたね。その計画通り、23年前、30歳のときに起業しました。
社長になる前にイメージしていた社長像と、実際の社長には違いがありましたか?
ありましたね。良い車に乗って、夜は飲みに行くというイメージはありましたが、本当に立派に経営されている社長の方々は、真逆だったんです。以前お世話になった社長は、朝4時に起きて、5時くらいに「今から行くぞ」と電話がかかってきたり、夜は損益計算書や貸借対照表の勉強をしたり。社長のこういう生活を見てきたので、これが本当なんだなと思うようになりました。偉くなれば遊んでも良いかもしれませんが、それでダメになっている人を見てきています。金儲けのためだけに事業をしようと思うようになったら会社を畳もうと思っています。会社、お金よりも大事なものがありますので、そこまでして会社を存続させるつもりはないです。ただ、社員もそのご家族もいますので、存続させないといけないという現実もあります。簡単なことではありませんが、ブレずにやっていきたいです。
これから起業する方々、独立する方々にエールをお願いします。
「あたりまえのことを徹底的にやり続ける」ということしかないですね。簡単なことをおろそかにせず、やると決めたことを必ずやりきる継続力と忍耐力が経営には必要だと考えています。そしてもうひとつ。楽しんでほしいですね。「楽しい」という感覚がないと起業しないほうが良いと思いますよ。とにかく起業することを楽しんでください。