100年以上続く老舗の3代目だそうですが、振り返っていかがですか?
大学を卒業して、名古屋の漬物屋に入ったのですが、1年経ったときに「帰ってこい」と言われたんです。昭和48年のことです。すぐに社長というわけではありませんでしたが、このころから継いだ形になりますね。
実は10年くらい前、店を畳もうと考えたことがあるんです。でも家族や親戚、友人たちに反対されたので、続けることにしました。今は、僕の体が動く限り、続けようと思っています。子どもたちが継ぐかどうかは本人たちに任せていますので、先のことはわかりませんが。お客様に求められれば、僕がいなくても誰かが続けるのではないでしょうか。過去や未来に縛られすぎると、今を楽しめなくなりますので、そのときの状況で決まるかなと思いますね。
今後の事業展開について、考えておられることはありますか?
今年、新しく工場を建てたんですよ。畑で採れた瓜やキュウリなどをすぐに加工できるようにして、空いた場所には家畜を飼って、フンを利用した有機肥料で自然の野菜を作ろうという計画を立てています。土や家畜を扱うのは初めてですが、これを老後の楽しみにしようと考えています。
老後の楽しみにしたいものがもう1つあります。僕は飛行機に乗るんですよ。グループで所有していた飛行機が壊れちゃったので今は乗れていませんが、機会があればまた乗りたいんです。体を動かすのは苦になりませんので、土いじりや家畜の世話なども問題ないと思います。それに、今までも365日働いていましたから。
これから起業する方々、独立する方々にエールをお願いします。
飛行機なら、僕は知識も経験もあるから、落ちない自信はあります。無理はしません。ここまでなら大丈夫と分かります。起業も同じだと思いますので、とにかく頑張って、知識や経験を蓄積していってください。