今回ご登壇いただいたのは、中小企業診断士の福田智浩さんです。都市銀行に29年、金融会社に9年間勤務。金融業のご経験が38年と財務に関して経験豊富な福田さんに、知っておきたい財務の「イロハのイ」、利益と損益の分かれ目というテーマで、わかりやすく説明していただきました。

今日のテーマは、
●財務のキホン、構成要素、損益の分かれ目
●事業計画(数値)に役立つ基礎知識
●起業・創業で気を付けるべき点
●「財務はわからない」という不安を解消
の4点です。


まずは、知っておきたい財務の「イロハのイ」。
事例1は、クマのぬいぐるみ。ぬいぐるみを作ってセレクトショップで販売します。売値、材料費、売る場所、棚を借りる場所など、さまざまな問題点を検証します。
損益ゼロとなる販売量/売上高。これがブレーク・イーブン・ポイント、略してブレーキン(福田さんの造語)で、黒字・赤字の分かれ目となり、売上高から原材料費を差し引いた第一の利益と、必ずかかる費用を差し引いた第二の利益という捉え方をお話いただきました。
事例2は、ラーメン屋。家賃、光熱費、人件費、借入の返済を差し引いた場合に黒字となるために必要な販売数量、売上高を算出する手順と考え方について説明していただきました。繁盛しているように見えた飲食店が閉店してしまう理由として、実際の販売量/売上高が「損益の分かれ目」「資産収支の分かれ目」(ブレーキン)に達していない可能性が高いことをお話しいただきました。

では、どこに無理があったのか、どうすれば改善するのかを検証します。
1.販売量や売上高が足りない時は、営業強化やプロモーションを行う。
2.1単位あたりの儲けが少ない場合は、値上げや材料費等を下げる。ただし、材料費の値下げは質の低下を招き、顧客が離れる可能性があるので注意する。
3.必ずかかる費用(家賃や人件費)が大き過ぎる場合は要注意。
4.借りるだけ借りるのは危険で、借入金の返済が過重にならないように留意する。
つまり、「小さく始める」ことがお勧めだそうです。
最後に、明日から実践するための具体的なアドバイスをいただきました。お店の客単価や材料費、必ずかかる費用などを大まかに想像し、考えてみることで、財務的なセンスを磨くことができるとのことです。


また、飲食店などを観察し、財務的・収支的な想像をしてみることを提案されました。これにより、財務的な考え方が身につき、経営的な視点が養われ、筋の通った事業計画が作れるようになります。つまり、説得力のある数値を提示でき、支援者や金融機関からの理解と協力が得やすくなるといったメリットがあります。

福田さんは、所々にクイズを交えて楽しく財務について説明してくださり、参加者に多くの気づきを与えていただきました。セミナー中、参加者が集中できるようにと、資料を3枚ご用意いただいた福田さんの配慮にも感謝いたします。明日から実践し、自己研鑽を積み重ねてスキルを向上させたいと感じました。

協力:起業家のための共学共創コミュニティ*とりでコネクテッド

レポート:新堀純可

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