


取手市在住の江戸川乱歩賞受賞作家・竹吉優輔さん原作の「レミングスの夏」。架空の街「富手市(とみでし)」を舞台に繰り広げられるのですが、登場する学校や施設は取手市内に実在するものばかり。取手市を愛する竹吉さんならではの描写が随所にみられます。こんな「レミングスの夏」が映画化されるのです。取手市の魅力が詰まった映画「レミングスの夏」。公開を前に、ちょこっと覗いてみましょう。
五藤監督
小さいころからですね。祖母が映画によく連れていってくれました。中でも「東映まんがまつり」で観た「長靴をはいた猫」は印象に残っています。小学5年生くらいになると、あまりポピュラーではない映画も見るようになりました。特に、黒澤明監督の作品に出会ったときは、「こんなすごい映画があるんだ」と感動して、映画を作りたくなりましたね。そのころは監督や脚本家など具体的な仕事も分からなかったから、漠然と映画を作りたいと思っていたんです。
自主映画作りは大学の頃からやっていましたが、映像には関係のない学部だったので、このままでは映画に関われないと思い、脚本を学び、卒業後は脚本家として企業ビデオやテレビ番組などの制作に携わりました。自分が描きたいこと、伝えたいことが映像になるのは感動しますね。その映像を観るとまた感動しますよ。今でも、監督をする作品の脚本は基本的に自分で書いています。でも、書くことより、監督として現場にいる時のほうが楽しいですね。
五藤監督
チームワークです。撮影は普段、各部署が別々に動くので、スタッフ全員が食事を一緒にとりながら、その日の反省会をしたり、次の日の撮影のプランを立てたりする時間を大事にしています。そのために合宿をすることもありますよ。現場の人同志の絆が強くなりますよね。
今回の「レミングスの夏」も合宿をして撮影に臨みます。映画って現場の雰囲気が出るんですよ。現場が楽しくないと、映画にも楽しさが出てこないと思うんですよね。
利根川のほとりの土手が美しい風景だなと感じました。岡堰(おかぜき)や小堀(おおほり)の渡しなども、風情がありますね。あまり詳しく言えませんが、映画「レミングスの夏」のキーとなる場所になっていますよ。
映画で大事なのは、脚本、役者、チームワーク、この3つだと考えています。キャスティングは、竹吉優輔さんの原作のイメージどおりにできました。脚本とチームワークにも注目していただければと思います。地元の皆様の期待に応えるように全力を尽くします。地元だけではなくて、取手市の魅力を全国に発信していきたいですね。

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