2回社長塾では、株式会社アサヒ代表取締役浅日明法さんにご登壇いただきました。

株式会社アサヒは、学校プール薬品などの化学薬品を扱う会社としてお父様が創業され、その後並行して企業向け防災機器メンテナンス事業をされています。学生時代に親に迷惑をかけてしまったので、家業を手伝おうといわばアルバイト感覚で入社されたそうですが、思いがけず早くにお父様が急逝され、34歳で代表取締役に就任されました。しかし生前のお父様からは、経営のことなどを話してもらえておらず、何もわからないまま、とにかく親の遺した会社を自分が早々に潰してしまっては申し訳ないとの一念で、会社のビジョンを明確にする時間もなく、ただがむしゃらにお客様と接しておられたそうです。そんな中、お客様からのご要望に応える形で防災システムのメンテナンス業務が伸びていったそうです。

 

それからは徐々に新しくお客様を紹介して頂き業績が伸びていったそうで、自分から積極的に営業しなくても仕事が取れるようになったのはありがたかったとおっしゃいました。とはいえ、浅日さんの仕事に対する信念はご自分がお客様のところまで1時間以内で到着できる範囲の方だけに限定してお受けになっています。すぐに通えるエリアに商圏を限定することで、仕事のクオリティを保ち、お客様満足度を上げていく、徹底したお客様至上主義で安心と信頼を得ていきたいからだそうです。常に枕元に携帯電話を置き、なにかあった時にすぐに対応できるようになさっているというエピソードも素敵です。大手の同業他社が出してくる見積もりには勝てないけれど、自分の会社と契約していてよかったと喜んで下さった時が一番嬉しいとお話される姿が、地元に密着した愛される会社をお作りになった、浅日さんのお人柄が滲むお話でした。

「会社経営の苦労は?」との質問には従業員との間に入ってストレスを感じたり、経営者は孤独なものだという説は本当だなと感じることもあるそうですが、地元のネットワークでストレス解消されているとのお返事でした。遠方からのご依頼は受けないという方針から、これまではホームページは持っていませんでしたが、もし作るなら地域を限定し、徹底した地元密着型をアピールするのも面白いのでは?などの意見交換もありました。

 

次世代である息子さん達にも会社継承を強制したわけでもなかったそうですが、継ぐと言ってくれた息子さんがいらっしゃるのだとか。3代目に言いたいことは、とにかくお客様あっての商売である。という思いだけは大切にして欲しいとおっしゃっていました。

 

まさに『モノ言わぬモノにモノ言わすモノ作り!(自らが盛んに宣伝しなくとも、仕事ぶりで信頼を勝ちとるという意)』商品やサービスの存在そのものがお客様にしっかりと価値として届いています。郷土愛にあふれる、温かいお人柄が今の経営に反映されているのだと感じました。口コミは一朝一夕では得られないですね。楽しいお話、ありがとうございました。

協力:起業家のための共学共創コミュニティ*とりでコネクテッド

レポート:松尾紀子

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