【開催報告】

1月12日(木)、2017年最初の社長塾&交流会(第8回)を開催しました。
今回は、ワタシの街の情報誌Match-46(マッチ・ヨム)創刊号(2016年3月発行)に
ご登場していただきました株式会社グローバルワークスの山崎裕介さんをお迎えしました。

聞き手は、一般社団法人とりで起業家支援ネットワーク理事・吉田雅紀です。

取手市で親しまれている工務店「株式会社グローバルワークス」は今年、設立10周年を迎えます。
まずはそのお話からスタートします。

吉田
山崎さんは創業社長ですよね。何年やられているのですか?

山崎さん
今年10年になります。

吉田
会社を立ち上げて、10年生き残っている確率、生存率は何%くらいだと思いますか?
全国で1年間に30万弱の会社ができるのですが、30万人くらいが横1列に並んで、
ヨーイドン!とスタートして何%くらいが生き残っていると思います?

山崎さん
20%くらいですか。

(客席から)10%くらいじゃないですかね。

吉田
調査はものすごく難しいので、仮説でしかありませんが、経済産業省の調査によりますと、
8%くらいだと言われています。
同じ年に起業をした社長が10年後に同窓会をしたら、100人のうち8人しか来ないということになりますね。
会社を10年続けるのは非常に素晴らしいことなんですよ。

今回の社長塾は、株式会社グローバルワークスが10年生き残ることができた秘密を吉田が紐解いていきます。

吉田
「グローバルワークス」という社名は、10年前どんな思いでお付けになったのですか?

山崎さん
「ワークス」というのは、よくしていただいている先輩社長が3人いるのですが、
大先輩の会社が「トレードワークス」といって、海外の資材の輸入代行をやっています。
ほかの先輩の会社の後ろにも「ワークス」が付いているので、「ワークス」を付けようと考えました。
「グローバル」は、もともとはアメリカのツーバイフォーをメインに扱っていたので、
「カリフォルニア」とか付けようと思ったこともあるのですが、
その他の輸入住宅も扱うようになり、「世界」という意味合いの「グローバル」を付けました。
海外のほうが建設に対する考え方が進んでいると思います。

良き先輩、相談できる先輩の存在も大きいのかもしれませんね。
次に話はお客様の獲得の方法について、話が及びます。

吉田
集客はどうしているんですか?

山崎さん
折り込みチラシと地方紙でPRして、問い合わせのあったお客様に対して営業する反響営業ですね。

吉田
お問い合わせは月何件くらいあるんですか?

山崎さん
だいたい月6件くらいです。

吉田
どれくらいの割合で成約までもっていくの?

山崎さん
打率は8割9割くらいです。僕が行くと、ですね。
もう1人6年目の子がいるのですが、その子が行くとだいたい5割くらいです。

吉田
それは何が違うの?

山崎さん
僕の強みは、10代のころから職人やってて、それから現場監督をしていたので、
普通の営業マンよりは現場のこと、お客様のニーズを掴めているのかなと思います。

吉田
一つの強みは、現場が分かっているってことですよね。
僕の中では、言ったこと以上のことをしてほしいというのがあるんですよ。
「こうしたほうがもっと良くなりますよ」と言ってくれるほうが良いんですが、
提案ができるからじゃないの?

山崎さん
いろんなタイプのお客様がいて、言ったことだけやってくれという方もいますので、
お客様との会話の中から提案してほしいのか、そうでないのかを判断しますね。
ただ、お客様にはメリットとデメリットをきちんとお伝えするようにしています。
営業マンは現場のことをなんとなくは分かっていても
具体的にお客様に伝えられるところまではなかなかいかないですね。
でも、もう1人の子も現場を知っていますし、僕との違いはよく分からないです。
自分では違いがよく分からないのですが、周りからは打率が良いよねと言われます。

吉田
自信かな。自信を持っているというのが表情・言葉にも出てきますよね。
それと山崎さんはいつもニコニコしているよね。

山崎さん
そうですね。ニヤニヤしています。

自信から醸し出される雰囲気がお客様にも伝わって、高い成約率を実現しているのかもしれませんね。
次に独立した経緯を伺いました。

吉田
そもそも自分で始めようと思ったのはいつですか?

山崎さん
サラリーマンになって半年たったくらいですね。22,23です。
最初は職人をやっていたのですが、いつも偉そうにしている現場監督がいたんですよ。
でも設計士さんにはペコペコしちゃって。
それを見て、設計士になろうと思い、職人を辞めて、夜間の学校で建築の勉強をしました。
その学校を卒業して地元の工務店に就職しました。

吉田
あまり勉強が好きなほうではないでしょ?それがモチベーションになるんですね。

山崎さん
あいつをペコペコさせるには、設計士になればいいんだと。
建築業界は一発逆転ができる業界だと思います。
学歴がなくても、7年やれば2級の受験資格、そのあと4年やれば1級の受験資格が得られるので。

吉田
夜間学校で勉強していた当時は独身?

山崎さん
20歳で結婚して、21歳で子供ができましたから。

吉田
奥さんにはなんて言ったの?

山崎さん
いつも事後報告です。何とかなると思っていました。
奥さんは子どもを産んだばかりだったので、家にいてもらいました。

吉田
独立を考えたきっかけは何?

山崎さん
就職した会社の社長の器が小さかったんですね。ここで一生働くのは嫌だなと思いました。

吉田
多くの人はそこで転職を考えると思うんですよ。なんで独立?

山崎さん
先輩社長たちを見ていて、刺激を受けたというのが大きいと思います。
人と人との縁、人脈の作り方など。
28のころに独立しました。
会社を辞めたのはケンカ別れしたみたいな形ですね。

吉田
思い立ったら起業をしたら良いと思いますよ。完璧な準備はないから。
独立はどう考えても合理的な意思決定ではないです。
それでも自分のやりたいことをしたいならするべきですよね。

山崎さん
そのとき、あまり深くは考えていませんでした。
1年やってダメだったら、再就職しようと考えていましたから。

吉田
それでどうだったの?

山崎さん
最初の半年はなんにもない状態でした。夜、人目を忍んでバイトをしていたよ。
半年たったころ、現場監督の代行の依頼が入ってくるようになりました。
そこから直でリフォームの仕事をとれるようになりました。

吉田
なんで上手くいったと思います?10年続けてこられたの?

山崎さん
なんでなんですかね。運が良かったと思います。

吉田
みんなそう言うんですよね。経営理念はあるの?

山崎さん
ずっと作りたいと思っているんですよ。
心の中にあるんですが、言葉で表現しきれていないんです。

吉田
仕事の中で大事にしてきたこと、曲げられないことは当然あるでしょう。
経営者はしたくないことをしなくていいんですよ。
山崎さんも軸があったから、続いているんでしょう。

経営理念ができると、経営に対する自信がますますできます。
言葉にして、社員にも浸透させるようにするのが良いでしょうね。
作ったら持ってきてください。

ブレない軸、それに基づく自信、良き先輩・仲間。
これらがあったから、10年生き残るのが8%と言われる時代に
10年間続けることができたのではないでしょうか。

株式会社グローバルワークスのさらなる繁栄を祈念します。
山崎裕介社長、ありがとうございました。

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