Match取手廃業相談員の西澤です。前回は「家族に廃業をどう伝えるのか?」について書かせて頂きました。家族以外にも廃業を伝えにくい相手がいます。それは『取引先』になります。今回はこの取引先にどのように廃業というネガティブなテーマを伝えるかについて書いていきます。

業歴が長い企業であれば「先代からの取引です」「50年仕事をしています」といった取引先があるのではないでしょうか。会社が困難な時も、お互いに協力しながら仕事を続けてきた相手に「○ヵ月後には仕事をやめます」とストレートに伝えるのはなかなか難しい事が想定されます。

こちらが注文を出したり、発注する側に関しては、比較的スムーズに話ができます。ただ、「お仕事を頂いていた相手先」に関しては、年配な経営者ほど「うちの代わりにどこが仕事を受けてくれるだろうか、、、」「相手の現場に迷惑をかけてしまうのでは、、、」などと思い悩んでしまう事が多い印象があります。特に自社が携わっている商品やサービスが独自のものであればあるほど、他社では置き換える事が難しい場合は特に心配する度合いが高まります。「あの取引先は、この取引先」はと思いを巡らすうちに、「廃業」という意思決定がゆらいでしまっては本末転倒です。

全ての取引先に迷惑をかけずに廃業する事は出来ない事を前提に考えた方がいいでしょう。取引先からの受注の状況と、先方の仕事の進捗状況を大枠で確認して、最終受注月をいつにするのかというポイントを設定するところから「廃業ケジュール」をつくっていく事が必要になります。

そのポイントが決められれば、先方への廃業のアナウンスをいつにすればいいのかが、おのずと決まってきます。受注型、請負型の事業をおこなっている会社の場合、最終の受注月には多くの注文が集まる可能性も高いので、その為の人員や生産の手配が必要になってくる場合もあるので注意が必要です。

そして、自社が今までうけていた仕事を近隣や同業者にうけてもらえるのか、相談にまわる時間も必要になります。同業者で自社の取り組みをよく知っていて「頼むよ!」とお願いすれば仕事をやってくれそうな会社があればいいですが、そうでない場合は引継ぎ準備に時間がかかってしまう事を想定して方がいいでしょう。

取引先との仕事の関係性や今までの取引量を勘案して、優先順位を決めて引継ぎの準備をしないと、「あの会社も心配、この会社も心配」という事になって廃業スケジュールが計画通り進まない形になってしまいます。あくまでも自社の廃業をファーストプライオリティーに考えていく必要があります。

また、スムーズに廃業を受けいれてもらう為には日ごろの取引先との信頼関係が重要になります。「納期を守る」「品質を担保する」「支払いをきちんとする」といった商売をしていく上で当たり前の事の積み重ねが、企業の最終局面をすみやかに進めるか否かに影響してきます。

廃業という決断をしたならば「廃業スケジュールを作る」「引継ぎに優先順位をつける」「日ごろの信頼関係が重要」という事を意識した上で、取引先に廃業を伝えていく事が良いかと思います。取引先との関係性はなかなか複雑なケースもありますので「どう伝えたらいいんだろう、、、」と思った際はお気軽ご相談ください。

<このコラムの著者>
西澤佳男 プロフィール
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廃業ってどうするの?中小企業ができる4つの廃業プラン
今できる廃業の準備“はじめの一歩”
廃業を誰に相談するのか?
従業員さんに廃業をどう伝えるか
家族に廃業をどう伝えるか

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