【開催報告】

4月13日(木)、11回目の「社長塾&交流会」を開催しました。
今回は、ワタシの街の情報誌Match-46(マッチ・ヨム)2017年1月2月合併号にご登場していただきましたLunasalon(ルナサロン)の石橋はるなさんをお迎えしました。
http://www.lunadehappy.com/

聞き手は、一般社団法人とりで起業家支援ネットワーク理事・吉田雅紀です。

いつも笑顔の石橋さんに対して、
「何でも笑ってくれるので関西人としてはボケ甲斐がある」という吉田。

今日のテーマは「なりゆき起業」ということで、対談はスタートしました。

吉田曰く、起業に至る経緯は次の5つに分類されるとのことです。
1.社会の矛盾・課題の解決を目指す「社会貢献型」
2.自分のもっている技術を活用する「技術実現型」
3.思いついたアイデアを形にしたい「アイデア実現型」
4.とにかく社長になりたい「独立志向型」
5.なりゆきで起業する「なりゆき型」

吉田

実は、僕も「なりゆき型」なんです。
もともとサラリーマンで、社内ベンチャーとして、事業をやっていました。
その社内ベンチャーを上手にすることができず、会社がその事業から撤退することになったのですが、
僕はその事業を続けたかったので会社を辞めて、その事業を引き継ぐことにしたのです。
最初は起業という意識は薄く、なりゆきで起業したのですが、
石橋はるなさんがどのようななりゆきで起業したのかをお聞きしたいと思います。

まず仕事の内容からお聞きしたいのですが。

石橋さん

ネイリストです。
カイロプラクティックの先生と、美容カイロエステティックの先生と一緒にサロンをしています。
3人の中でいちばん年下なのですが、私が代表なんですね。

それぞれが個人事業主で、お二人に業務委託をしている形です。

吉田

個人事業主3人がひとつの場所に集まってサロンをしているということですね。
その中でAさんのお客様がBさんのお客様になったりという
シナジー(相乗効果)も生まれることもあるんですね。

石橋さん

そうです。3人で場所とお客様を共有している状態です。

吉田

今の形になったのはいつですか?

石橋さん

ちゃんとした形になったのは2年前です。
今の場所は5年前からやっています。
そのころは、たまにカイロの先生が来られたりする程度でした。

吉田

その前は?

石橋さん

その前は、父が手づくりした物置き兼お部屋で細々と一人でネイルをやっていました。
ネイルの練習をしたいから部屋が欲しいと父に言ったら作ってくれました。
家を建て直すところだったので、廃材があったんですよ。

自宅とは分けたかったんですよ。自宅は生活が溢れていて、なかなかスイッチが入らないので。
お母さん業、主婦業をやっている女性は分かると思いますが、家のことが気になっちゃうんですよ。

吉田

お父様のお家にスペースがあったから、そこに部屋を作ったの?

石橋さん

そうです。駐車場の一角に作ってもらいました。
自宅は道を挟んですぐのところなので、行き来もしやすくて。
ネイルをすると、においがキツくて自宅では練習ができなかったんですよ。
最初は仕事をするつもりはなかったのですが。

ひょんなところからネイルを始めたという石橋さん
短大卒業後、病院や施設などで栄養士として仕事をしていましたが
結婚が近づいたころに退職しました。
そして前の職場の先輩がやっていた化粧品の代理店を始めることに。
代理店の仲間にネイリストの方がいました。
石橋さんは以前から、爪が割れたり、引っかかったり、爪のトラブルに悩まされていたので、
その人に相談をして、手入れをしてもらっていました。
しかし当時、ジェルなどの材料費が高かったのです。

月に2回くらい通わないと良い状態を保てないが、
化粧品での稼ぎが少ない、旦那に食べさせてもらっている状態で、この出費は痛い。

ネイルをやってもらっているのを見ていると、
「自分でできそうだな。もし自分でできれば、いつでも好きなときに治せるな」と思い、
その人にネイルを教えてもらうことにしました。
それからネイルの検定試験があることを知り、チャレンジすることに。
その実技試験の練習をするために、友達に手を貸してもらい、練習するうちに、
人にネイルをする楽しさを感じたとのことです。

吉田
お客様に初めてお金をいただいたのはいつ?

石橋さん
検定試験の練習のときに手を貸してもらっていた友達が最初のお客様です。
最初は材料費だけ頂いてネイルをするという感じでした。

吉田
次にどうやって集客したの?

石橋さん

そのころは、あれもできない、これもできないという状態でした。
心が弱っていたのでヒーリングの先生のところに行ったら
こんなことを言われたのです。
「自分ができる、ベストを尽くせるお客様しか来ないのよ。
今の技量で満足するお客様しか来ないので安心して。」

その言葉で気が楽になりました。

それから、できないことをどうしようか考えたときに、
お客様に宿題を出してもらおうと考えました。

「次回いらっしゃる時までに練習しておきます。また来てください。」

そうしたら「できるようになった?」って来てくれたんですよ。

ときどき他のネイルサロンに行くこともあります。
デザインはサンプルの中から選ぶのが一般的なのですが、それが嫌だったので、
自分が嫌だった体験はお客様にしないようにしました。
言われてうれしかったことをメモして、実践するようにしました。

それをやり続けて、今に至ります。
ありがたいことに今、キャンセル待ちのお客様もおられます。

吉田

小さなビジネスはそうですよね。
こういうところからクチコミが広がります。
クチコミで広げてもらうためには、100%以上の満足を与えることが大事なんですよ。

なりゆきで起業をした石橋さん。
起業して初めて、固定費が発生することに気づいたり、旦那様を説得したりと苦難に直面しましたが、周りの協力をどのように仰ぐか、どのように工夫するかをその都度考えた結果、現在はキャンセル待ちのお客様がいるほどになっています。

吉田は言います。
「合理的な意思決定はない。正解を選んだかどうかではない。選んだ道を正解にするんだ」と。
石橋さんはこのことを体現しているように感じます。

吉田

これからはどんなこと考えているの?
技術職だから、自分で動かないといけないでしょ。

石橋さん

人を雇いたいと考えています。
個人事業主の集まりで完全歩合なので、そのあたりを理解してくれる人ですね。

なりゆきで起業した石橋さん。
自分にできることをやり続けて、今があるんですね。
貴重な体験談をお話しいただき、ありがとうございました。

 

**アンケートでのご意見**

 

● 女性 30代 とても参考になり、トークも面白かった。やはり鼓動的な方で受動的だとあのように展開しないと思った。
● 女性 60代 インタビュー形式で本音を聞いているのがよかった。単なる成功話で無く、右余曲折あるが笑い飛ばす元気と若さが良かった。成功と失敗を成功にするエネルギーと知恵がいる、あとは運。
● 女性 50代 やるかやらないか、家族の理解も得ながら進めたらと思います。
● 女性 40代 主婦の立場から成り行き起業の経緯、家庭や子育ての工夫など参考になることがたくさんありました。
● 男性 50代 値段設定にいつも悩んでいたので大変参考になりました
● 男性 30代 吉田さんの軽快なトークが素晴らしかった
● 男性 40代 吉田先生の話の広げ方、場づくり、メッセージはとても参考になります。「選んだ方を正解にする」という言葉がすごく心に残りました。現代女性の成功事例そのものと感じました。
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