【開催報告】

2月9日(木)、9回目となる「社長塾&交流会」を開催しました。
今回は、ワタシの街の情報誌Match-46(マッチ・ヨム)11月号にご登場していただきました
株式会社取手福祉サービスの角田善政さんをお迎えしました。

聞き手は、一般社団法人とりで起業家支援ネットワーク理事・吉田雅紀です。

手すりやスロープなどのバリアフリーのための福祉工事や介護用品のレンタル・販売を行っている角田さん。
「住み慣れた街で、住み慣れた我が家で、いつまでも安心して暮らしたい」
そんな願いに住環境を整えることで応えています。

創業したのは2011年の秋ころです。

吉田
創業したきっかけは何?

角田さん
親の会社を継ぐつもりだったんですけれども、
その会社が倒産してしまいまして。
もう自分でやるしかないなと。

吉田
親御さんの会社は何屋さんだったの?

角田さん
水道屋です。母方のおじいちゃんが創業した会社です。

吉田
育ちがいいんや。ボンなんやな。
今日もお友達がたくさん来てくれているみたいですけど、
イイ奴なんやろうな。

(客席から)イイ奴です。

吉田
仕事をしていく上では、一番大事やろうな。

角田さん
大事だと思いたいです。

吉田
イイ奴で、頼りない奴には周りがおせっかい焼くのよね。
おせっかいを焼いてもらえるというのはとても良いネットワークですよ。

角田さん
僕は仕事ができるタイプではないので。

サラリーマンを経て、戻ってきて5年で倒産した母親が社長を務めていた会社。
経営状態のことはあまり聞かされていなかったという。

吉田
親の会社が倒産したとき、転職は考えなかったの?

角田さん
前の会社で「福祉住環境コーディネーター」という資格を取っていましたので、
介護関係の仕事をして、やさしい人間になりたいなと。

吉田
もともとやさしいやん。

角田さん
おじいちゃんおばあちゃんと接するのが苦手だったので、触れてみたいというのがありました。

吉田
なんで?
じいちゃんばあちゃんが苦手なら、その仕事しないと思うのですが、
なぜコミュニケーションをとりたいと思ったの?

角田さん
やさしい人間になりたいからです。

吉田
だから、やさしいやん。

角田さん
しゃべりたいと思ったんですよ。

人の良さが伝わる話しぶり。
おじいちゃんおばあちゃんたちに可愛がられるタイプではないでしょうか。

次に創業したころのことに迫ります。

吉田
サラリーマンをするという選択肢もあったのでは?

角田さん
創業したばかりのころは苦しい時期もありました。
サラリーマンのほうが良かったかなと考えることもありました。

吉田
最初は苦労したの?
なんで始めてしまったんだろうと後悔した?

角田さん
前の会社では、会社の名前、ブランドで受注が取れましたが、なかなか自分で仕事を取ってくることができなくて。
貯金を切り崩して、笑えない時期が続きました。

吉田
どうやって負のスパイラルから抜け出したの?
どのように気持ちを切り替えたの?

角田さん
とことん寝ました。
どん底まで落ちて、これ以上寝ていたら体が悪くなると思って動き出しました。
それから営業に回って徐々に受注が取れるようになりました。

吉田
分かりますよ。
辛いとき、友達が飲みに誘ってくれたりするけれども、お酒が進むと誰かが言うんですよ。
「これからどうするの?」って。
こんなことを聞かれるのがとても辛くて、余計に外に出なくなるんです。
「分かっていたらするやん、分からんから家にいるのに」って。

角田さん
もうひとつ転機がありまして、「ホームページを見たのですが面接をしてほしい」っていう3歳くらい上の方が来たんですよ。
人を選ぶ自信もないし、人を雇う余裕もないし、父に立ち会ってもらって面接をしました。そうしたら、父が「100万円貸すから、雇ってみろ」って。
その人には営業をやってもらったのですが、受注につながらず、営業は社長である自分がやらなければいけないなと学びました。
3期目でようやくとんとんくらいまで持ってくることができました。

吉田
今は安定しているの?

角田さん
そうですね。安定といえば安定ですが、
次の一歩を踏み出せていないので、足踏み状態です。
一人では限界があるなと。

さらなる高みを目指しているようです。

角田さんの仕事は、「ケアマネージャー」がカギを握っていると言います。
お世話をしている方に必要なものをケアマネージャーが選んで調達をする。
ケアマネージャーに選んでもらわなければ、仕事が回ってこないことになります。

吉田
営業はどのようにやっているの?

角田さん
まずは、ケアマネージャーがおられる施設を回ります。
これからは、お客様、ご利用者様に対して認知度を高めることもしたいですね。

吉田
一般の人たちにアプローチって?

角田さん
マニアックな業界なので、一般の人たちへの周知が難しいんです。
介護保険で手すり工事できるということも浸透していないですし。

吉田
他に難しいところは?

角田さん
その人に合ったプランニングをしますしコスト・労力はかかります。
利益的に大きくないことですかね。

吉田
逆に、楽しいことは?

角田さん
神様のように感謝されることがあるんですよ。
「ありがとうございました~」「本当に助かりました~」って。

吉田
次のステージは?

角田さん
今までは取手中心でしたが、我孫子や柏など、営業エリアを拡大していこうかなと。
ゆくゆくは、ケアマネージャーを置いた施設を持ちたいですね。
ケアマネージャーの受験資格を持っているのですが、本が分厚くて…
次の展開を考えていきたいですね。

吉田
取手福祉サービスの強みは何?

角田さん
工事ができることです。
手すりの設置など、迅速な対応ができます。

角田さんにはもう一つの顔があります。

吉田
角田さんはバルーンアーティストでしたよね?
始めたきっかけは?

角田さん
お世話になっているジョイプロデュースの守谷社長に声をかけられて。
仕事がないならやってみる?って。
最初は、メインの方の補佐で入っていたのですが、
いつの間にか単独でやるようになりました。
もともと人を楽しませるのが好きなので、楽しくやっています。

吉田
気分転換にいいね。寝ているよりはいいよね。

角田さん
こっちをメインにするつもりはないが、続けていきたいですね。
いずれはテレビに出て…

人生を楽しんでいる角田さん。もうひとつ大きな楽しみがあります。

吉田
ところで彼女ができたって?
前に取材させていただいたときに、アプローチしている彼女がいると聞いたんですけど、彼女ってその子かなと思ったら違う子なの?

角田さん
そうなんです。以前アプローチしていた子はいわきの彼氏持ちだったので。
2人の将来をビジュアル化したWordで20~30ページくらいの「幸せ計画書」を作っているんです。
三途の川を渡るまでの計画を、一緒にいてくれてありがとうみたいな
仕事のプランニングみたいに、イメージを明確にしているんです。
それを彼女に説明したら、「重い…」って言われました。
その子とは別で、商工会青年部のおまつり「ソニックガーデン」で知り合った子です。

吉田
仲間の間では「角田君に春が来た」ってたいへんらしいね。

角田さん
僕は、槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」のような生き方をしたいんですよ。
削ることを惜しまない、お金にならないことでも一生懸命する、仲間作りも財産になる。そんな人生が理想です。

大きな夢に向かって、計画を定めて、着実に自分のペースで歩んでいく。
そして周りの人たちを愛し、周りの人たちに愛される。
そんな取手福祉サービスの角田善政さんの素顔が垣間見られた社長塾でした。

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