2018年2月27日

 

~美味しさで、シアワセ作りのお手伝い~

 

【ゲスト社長】高橋肉店 飯島進さん

https://www.nikutaka.com/

 

今回ご登壇いただいたのは、昭和24年創業、3代目社長の飯島進さん。

茨城おみやげ大賞2016最高金賞受賞!

先代がつくった豚肉みそ漬けを「龍ヶ崎漬け」と改称。「茨城の美味しいお肉『常陸牛&瑞穂のいも豚みそ漬』セット」が最高金賞に輝きました。

「ふるさと龍ケ崎」を愛し、先代がつくった「ばあちゃんコロッケ(龍ヶ崎コロッケ)」と「龍ヶ崎漬け」作り続けています。

地元に愛され続けて66年。変わらぬ美味しさで、お客様に笑顔を届ける老舗のお肉屋さんです。

■トヨタ自動車から生肉業へ

高橋肉店は、昭和24年に千葉県で農家の長男だった初代が、東京の京橋で高橋肉店という生肉業を営んでいた従兄弟の手伝いとして勤めに出たのが始まりです。

その後初代は農業をやめ、養豚が盛んだった龍ヶ崎に高橋肉店を構え東京へ肉を運んでいました。

2代目になって現在の場所に店を移転し、私が30代後半のときに事業を継承しました。

 

高橋肉店は私の実家ではなく、妻の実家なんです。

私は下妻市出身で、工業高校を卒業後は車が好きだったので専門学校に進み、トヨタ自動車に入社して修理の仕事をしていました。トヨタは「お客様満足度」をとても重視する企業。お客様に感動・感謝を与えることの大切さをすごく勉強しました。

その後龍ヶ崎の店舗に異動になり、修理を受付けたことが出会いとなって妻と結婚しました。

 

2代目は本当は妻の兄である息子に継がせたかったのですが、兄にはその気がなかったので自分の代で店を閉めるつもりでいました。

高橋肉店のお肉はとても美味しかったし、当時保育士をしていた妻が「肉屋をやりたい」と言ってきたこともあり、私も面白そうだなと思ったので跡を継ごうと決意しました。

 

 

 

■美味しい味噌漬けを作ろう

一番人気は豚肉の味噌漬けの龍ヶ崎漬け。

当店の味噌漬けの始まりは初代の実家の農家が味噌を作っていたので、その味噌を使ってスライスした豚肉に漬け込んで賄いとして食べていたものを、2代目が販売を始めました。

もともと味噌漬けは肉屋さんが少し痛んできた豚肉を薄くスライスして、保存期間を延ばすために作る商品でしたので、なくなったら終わり。という売り方でした。

しかし味噌漬けで一番美味しいのはロース。私はいいものをさらに美味しくするために、ギフト用にロースを使って味噌漬けを作りたいと先代に主張しました。しかしロース肉は肉屋の一番の主力商品。「それでは売るものがなくなってしまう」と大喧嘩になりました(笑)

そこでロース肉だけを売ってくれる流通を探し、品質が一定していてハーブやさつまいもを飼料としている「瑞穂のいも豚」を味噌漬けのお肉に採用しました。

 

いまではギフト用に作った味噌漬けを食べていただいた方が、「美味しい」と言って他の方にギフトとして贈り、また別の方が贈り、という形で全国まで広がっています。そして2016年に茨城おみやげ大賞で最高金賞を受賞しました。

現在インターネットと電話でご注文を受けていますが、電話でのご注文がほとんどです。

■町おこしにも一役

私は龍ヶ崎コロッケクラブの会長も務めさせていただいています。

「昔食べた懐かしい手作りのものを現代の子供たちへ」という想いで、2000年に龍ヶ崎市商工会女性部長の吉田京子さんと商工会事務局長の大竹さんが生みの親となって、コロッケで町おこしを始めました。

龍ヶ崎のまんが図書館「市街地活性化センターまいん」で提供したり、イベントなどに出店したり、市内の飲食店でもオリジナルコロッケを提供するなど、コロッケによる町おこしが盛んになりました。2000年代初めのころはB級グルメで町おこしが珍しく、草分け的存在として各メディアでも取り上げられました。

その後の試行錯誤を経て、「第2回ご当地メシ決定戦2014」でグランプリに輝きました。

 

最初からコロッケに目をつけたわけではなく、おでんをやったり色々やってみたのですがどれも失敗。たまたま、大竹さんがテレビで原宿の若い子達がコロッケを食べているのを見て「これだ!」と思ったそうです。

■100年経営を目指して

一番苦しかった時期は2011年の東日本大震災のとき。放射能汚染で茨城県の豚肉・牛肉が売れなくなってしまい、売り上げが激減。

その時には北海道の肉を使おうかと考えましたが、「茨城県の人が北海道の肉を売ったら、茨城の肉はダメだって証明しているようなもんだ」と思い、茨城の肉を販売することを続けました。

 

高橋肉店は創業69年を迎えます。「ばあちゃんコロッケ100年物語」という目標を掲げていますが、ばあちゃんから「飽きないものをつくりなさい」といわれてきました。

同じものを、同じ味で、飽きないものとして少しずつ変えながら作り続けていきたいと思っています。

ファシリテーター:フリーアナウンサー 高木圭二郎

写真・レポート:JAMWorks 宇津井志穂

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