2016年6月から「いぬのようちえん」をされていますが、きっかけは何ですか?
人間は学校に行くのが当たり前ですが、ワンちゃんが学校に通ってお勉強するのはまだあまり一般的ではないと思います。しつけ教室などに行くのは、吠え癖や噛み癖などの問題行動が起こってからです。そうではなくて、ワンちゃんを飼い始めたらしつけをして、より楽しく過ごせるようにしたいですね。ワンちゃんはお勉強をすることが好きなんですよ。
私の出身地・富山県はペットを飼っている家庭の割合が少なく、専門学校や仕事もすごく限られてきます。それで富山県外の専門学校を探したところ、茨城県はペットを飼っている家庭の割合が多く、東京にも近いので情報が入るのが早いだろうと考え、茨城県内の専門学校で3年間学びました。卒業後、犬関係の仕事をしたり、卒業した専門学校で教えたりしたのですが、専門学校は犬ではなく人を教えるところですし、どこかに勤めると自分のやり方ができないので、自分で始めることにしました。
ワンちゃんのしつけをするうえでのこだわりはありますか?
人が住んでいる気配がする場所のほうが、ワンちゃんたちがお勉強をしやすいかなと考え、一軒家で始めようと考えました。ワンちゃんが緊張しないように、この場所に来るのが楽しくなるように努めています。また、今は受け入れる上限を決めています。生きている子たちなので、ケガをしたりすると大変ですから。1頭1頭との時間を大切にしたいという気持ちもあります。
ただ、ワンちゃんのしつけは飼い主さんの協力がないとできません。お勉強を始めると、他のことにも頭を使うようになるんです。家に帰ると少しでも楽をしようと考えるワンちゃんもいます。飼い主さんは自分のワンちゃんがかわいいのでついつい甘やかすこともあります。飼い主さんとお話をして、家でのお勉強も大事だということを理解してもらっています。
教えていた専門学校の卒業生たちから「早く大きくなって雇ってください」と言われることがあります。冗談ぽく言っていますが、半分本気だと思います。将来的には従業員を雇えるぐらいの規模にしたいです。まだまだ先の話ですが。