vol.167
BIG SMILE
倉持 保雄さん
Title
「僕のハンバーガーで笑顔にな ってくれたら最高」
「アメリカの古いカルチャーやバイク、車が大好きな んです」と話す倉持保雄さんは、「ハン バーガーは安価な物」というイメージがまだ強かった 10年以上前に、本格派のハンバー ガー店を取手にオープンさせました。小学生の時に映 画『アメリカン・グラフィティ』の世界 に魅せられ、憧れを抱いた倉持少年。社会人になって もその気持ちはあせることなく、コツ コツとアメリカ雑貨を収集していました。そんなある日、 たまたま入った都内のハンバーガー 店で衝撃を受けます。「それまで食べていたハンバーガ ーとはまったくの別モノ。あまりのお いしさに何度もお店に通いました」(倉持さん)。
弟子入りを志願し、勤めていた会社も退職。 10カ月という期限付きでの修業だったので、1つでも多くのことを吸収しようと、朝から晩ま で必死に働きました。「毎朝『大丈夫、できる』と自己暗示をかけていたほど大変な毎日でした。 でも、僕が初めて作ったハンバーガーを食べたお客さまが『おいしい』と笑ってくれたことがうれし くて」と振り返ります。そのときの気持ちを大事に、今でも初めて来店した人がハンバーガーを頬張 る瞬間は、必ず見るようにしているそうです。ハンバーガーへのこだわりを聞くと「何もないんですよね」 と照れ笑い。ただ、修業時代から苦楽を共にしてきた奥さまいわく「同じレシピでも他の人が作ると味が変 わってしまうんです」とのこと。1個1個に心を込めて、自身の味に仕上げることが倉持さんの矜持のようです。