創業して約20年になるということですが、続けることができた理由をどのようにお考えですか?
以前は商社で働いていましたが、もっとできることがあるのではないかと思い、創業することにしました。27歳のときです。清掃業にしたのは、アルバイト経験などがあったからです。やっていけるという見通しはなかったのですが、思い切ってやってみようと。
創業なんて人生でそんなに経験することではないので、「走りながら考えよう。経営が立ち行かなくなったら、再就職してもいい」というくらいの気持ちで始めました。何をやるかをキッチリと決めすぎると、理想通りにいかなかった場合に挫折してしまうかもしれません。私は「何をやりたいか」より「どう生きたいか」を優先してきました。「どう生きたいか」という思いを持つことでブレない軸が生まれ、今まで続けてこられたのかなと思います。若い人たちにも「どう生きたいか」を考えるように、常々話しています。
スタッフの成長を目の当たりにするときですね。私たちのモットーは「心を磨く清掃業」なんです。床や窓を磨くだけではなく、それぞれが心を磨き、成長していければと思っています。
うちのスタッフには人と接するのが苦手な人もいます。そのような人たちとも密にコミュニケーションをとりながら、役割や裁量権を持たせて、自分で考えて仕事を進めてもらいます。人から必要とされて、人の役に立ち、収入を得て、社会とつながることで、成長していくと思うんですよ。全員で成長していくことが理想ですね。そのためには私自身がこの会社のフラッグシップとして、心を磨き、成長し続けなければいけないですね。
これから起業する方々、独立する方々にエールをお願いします。
会社をやっているとうまくいかない時期があります。でもその責任の所在を外的要因にばかり向けていると、卑屈になり、意固地になってしまいます。それではいけません。頭を切り替えて、努力や苦労は未来への投資だと考えてみてはいかがでしょう。その試練を自分磨きのきっかけにして、自分自身を成長させることを楽しんでほしいですね。