今回ご登壇いただいたのは、小泉行政書士事務所代表 小泉郁満さんです。小泉さんは、他にも起業支援プロフェッショナル、上級シニアライフカウンセラー、学習塾塾長など、たくさんの肩書をお持ちです。もともとは県庁職員として働いていたのですが、家庭の事情をきっかけに早期退職して起業の道へ進むことになりました。

そんな多様な事業を展開されている小泉さんは、補助金についても実践を通して知見がおありです。今回のセミナーでは、補助金が採択されるためにはどうしたら良いかというhow toだけではなくて、受講生がご自身の事業でどんなどのような活用ができるのかを考える、経営者としての在り方を学ぶよい機会となりました。

補助金というと、昨今目にすることの多いのが『補助金セミナー』や『補助金コンサルタント』などの広告です。気になってる方も多いかと思います。そこへ自ら体を張って受講生として潜入調査したのが小泉さん。受講生である私たちは、その生々しい実態を知ることになりました。結果、「補助金セミナーには参加せずとも、自分で申請ができる!」というのが小泉さんの出した結論でした。

補助金というのは申請し採択された後、まず先に自分のお金を使って事業を行い、その事業の実績を報告して支給されるものです。ということは、たとえ1億円の補助金を受け取る権利があったとしても、最初は自分のお金を出す必要があります。補助金コンサルでは、最初の申請と採択までのサポートはしてくれますが、その後の事業の実施、実績報告については自力で行う必要があることが多いそうです。

そんな補助金コンサルを排除しようという動きもあってか、補助金の採択率は従来の6割前後から直近では4割未満と低下が著しいとのこと。どうやら以前よりも給付までの道のりは険しくなっている様子。今や狭き門となってしまった補助金の申請ですが、慣れてない人にとってはそんなに難しいことなのでしょうか。

実はそんなことはなく、身近にある商工会や商工会議所がチェックやアドバイスをしてくれるそうです。補助金の申請手続きも、法人・個人事業主向け共通認証システム 『gBiz』に登録しておけば、PCやスマホで手続きが可能です。それではここで小泉さんが考える採択されない人の考え方を共有しましょう。

  • 補助金をもらいたいから何をしよう
  • 補助金を1円でも多くもらおう
  • 補助金があるならやろう

が、代表的な例です。では、逆にどんな考え方の人が採択されるのかというと、

  • 事業の目的が明確
  • 分かりやすい文章
  • 数値が具体的で根拠が妥当
  • 写真や図表を用いて訴求
  • 同じ業種でも、アプローチの仕方が目新しい

 

小泉さんが携わった事例の中で、上手な補助金の活用例としては、

  • 美容関係の展示会に出店した税理士
    インボイス制度に不安を持つ美容業界の人々に向けての相談サービスを提供出展料1ブース100万円のうち、補助金で約66万円が賄われた。
  • 業界紙にセミナー告知をした不動産屋
    借地権相続セミナーを開催広告料40万円のうち約25万円が補助金で賄われた。

など(の事例)があるそうです。

そもそも補助金という制度は、政策目標を達成したい国や地方自治体から、あなた(事業者)ができることに対して支払われるお金です。事業者として、お金を多く得ようという考え方も大切ですが、どれだけ人や社会のお役に立てるかを考えるほうが結果的に自分も周囲も幸せになれるのかもしれませんね。

最後に小泉さんがお話されたのは、『他人の脳を借りるのが大事』ということ。事業の先輩、見込み顧客など、いろんな人の意見を聞いて補助金申請してみてください。もし1回で採択されなくても、継続していくことで補助金申請のスキルも上がります。

ご自身でも補助金セミナーやコンサルをやろうと思えばやれるのに、それをせずに「自分でやってみましょう」と呼びかけるところが小泉さんのお人柄だなと感じました。

協力:起業家のための共学共創コミュニティ*とりでコネクテッド

レポート:今野照美

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