最初の6年くらいは洋食全般を扱うレストランでしたが、売り上げが落ち込んで、もっと絞り込もう、 自分たちにしかできないことをしようと考えて、今のスタイルになりました。当時は ピザを窯で焼くスタイルがまだ珍しかったんです。茨城でイタリアンをやっている社長にたまたま出会い、お店の名前を借りてフランチャイズという形でスタートすることにしました。
この頃に店のスタイルだけではなく、考え方も大きく変わりました。何のために 仕事をするのか、何のためにお金があるの か、何のために命があるのかを徹底的に考 えました。お金が無 くなって、周りの人が離れていったときに気付いたんです。お金のためだけに仕事をしていたんだなと。利益のことばかり言っている と、そのような人しか寄ってこないんです。
私たちは生まれた瞬間から、衣食住さまざまな場面でたくさんの人と関わって、生活することができています。たった一人では生きられないのです。生きるだけで周りの人の世話になっています。みんなが自分の欲のために生きていたら、世の中は大変なことになってしまいます。みんなが得意なことで人の役に立つことが大事なのではないでしょうか。私たちは、飲食を通じて人の役に立つことをしたいと考えています。
京セラの創業者・ 稲盛和夫さんの言葉ですが、
「動機善なりや、私心なかりしか」
ということを常に意識し、経営しています。
何のためにやっているのか、自分の欲のためだけではないか、をいつも自問自答して判断しています。考えて行動して結果が出るのです。まず考え方を間違えないようにしなければなりません。
これからの晩年期は、損得なしで技術や考え方、やってきたことを人に与える喜びを感じたいです。スタッフたちには荒波に出たときでもやり続けていけるような人間になってほしいという思いがあります。
硬い石でも水を一滴ずつ垂らし続 ければくぼむように、継続が大きな力になるのです。ハードはやがて飽きられます。ソフト、人間力が重要だと考えています。