令和元年最後の新・社長塾「小村悦子の 社長!お話聞かせてください!」は龍ケ崎で19日に開催。
Match-hako龍ケ崎の女性スタッフの熱いオファーにお応えいただき、登壇くださったゲスト社長はパンとスープとケーキのお店「Cafe Kazz Kitchen」代表佐藤千瑚さんとご主人の聡さん。ファシリテーターは美味しいものが大好きで担当しているラジオ番組では食リポコーナーを担当して7年目のフリーアナウンサー小村悦子がお話を伺いました。
取手出身という千瑚さんの来歴はちょっと凄い!これまで様々な業種にチャレンジしてこられたそうです。
美容師、営業職の会社員を経て建築業で起業。経営者兼インテリアコーディネーターとして活躍する傍ら料理教室を経営…その後アロマの資格をとりこちらでも会社を設立し、数年後に廃業。
「アロマの事業を廃業した理由は?」の質問には「儲からなかったから。」と明け透けな答え。まさに真理!
その後マクロビの勉強のため、都内のスクールに通い資格を取得し利根町にカフェを開業されます。
人気を博していたこのカフェは10年間続けて借りることを条件に自由に改装していい、というお約束だったそうで建築業、インテリアコーディネーターとして培った千瑚さんのセンスが遺憾なく発揮された素敵な店構えに。味、雰囲気などで人気を博し評判を取るも生活サイクルやパートタイマーさんの人件費などのバランスを考えたときに違和感を感じ、1年経たずにカフェからパン専門店へリニューアル。
更に千瑚さんは閃き、平成30年11月に現在のお店である「Cafe Kazz Kitchen」を龍ケ崎市白羽の住宅地に自宅兼店舗としてオープンさせます。
これまでのキャリアを活かし安く済ませたとは仰ってましたが改装費だけで結構かかっているはず。
当時は会社員だったご主人の聡さんは千瑚さんのこれまでの奮闘に理解を示し応援するも、当然の如く反対。しかし千瑚さんは引きません。
「ローンが通ったら」という条件を出すものの、聡さんは心の中で「通るはずはない」と思っていたそうですが…天は千瑚さんに味方し!?ローンの審査は無事通り開店に向け一気に歩みを進めます。
店舗のインテリアデザインは千瑚さん自ら行い、元々大手レストランチェーンでケーキ担当をしていた聡さんの為に、とお店の扉を開けたまっすぐ前にケーキ用のウインドウを用意。ケーキ担当は聡さん、というシナリオも千瑚さんが描かれていた通り!?
そして開店当日。
可愛らしい店構えから建築中から気になっていた、という近隣の方はいたもののチラシ配布などは全くせず、宣伝はSNSでの告知のみ。
特に整理券の用意も必要ない、と考えていたそうですが開店時間の前から長蛇の列!ご夫妻もこれにはびっくり。最後の方のお客様には謝ることしかできなかったそう。
「SNSでの告知は一つの投稿に何千人という方にアプローチが無料でできるんだから絶対にやったほうがいいですよ!」と千瑚さんの語気は強い。ではコツは?心がけている点を伺いました。
・開店日には必ず投稿する。休業日は前日に「明日は定休日でお休みです。明後日○日は○時から開店です」の投稿を。
・必ず写真をつける。写真は自分ではなく商品を写したものを更新する。
・最初の数行がまず目に入るので、文章の書き出しは長い挨拶よりもお店のことを簡潔明瞭に書く。
…などだそう。業種を問わず真似できそうですね!参考にさせていただきます!
さて、開店当時のお話に戻り。可愛らしいケーキ用のウインドウも揃ったところで会社員だった聡さんは開店を機にケーキを担当することに。開店日にあわせお勤め先には数日の休暇を申請していたものの、数日経ってもお客様は切れることなく沢山いらっしゃいます。
バターと卵をふんだんに使うパンの世界の中で「マクロビ」でのパン作りはまさに至難の技。千瑚さんの試行錯誤で生まれたパンたちは一度食べたらまた食べたくなる美味しさ!SNSでの効果に加え、評判が評判を呼んだのでしょう。
しばらくは朝出勤前にケーキを用意してから出社という生活を続けてこられましたがケーキの評判ももちろん高く、いわゆる「ダブルワーク」になり体力的にも限界がきてケーキに専念することを決意。職場に辞表を提出。経営面でも夫婦二人三脚の現在に至ります。
聡さんのケーキももちろんマクロビ素材でできていて、アレルギーの有無にかかわらず美味しく楽しめます。
ある日アレルギーのあるお子さんがお母さんと一緒に食事にきた時のこと。食物アレルギーのある方は通常メニューとは別のメニューから選ぶことが当たり前なのだそう。「みんなと同じものを選んでもいいの?」というそのお子さんの言葉が耳に入り、マクロビのケーキを作る意義を感じた、と聡さん。
終始エネルギッシュでとにかくポジティブな千瑚さん。その元気の源、考え方の根源はなんでしょう?「『いつかお金持ちになってやる!』といつも言ってるんですよ!」と千瑚さん。
「経営していると嫌なことは起きませんか?」との質問には変わって聡さんが答えます。
千瑚さんはなんでも普通の方が落ち込むようなことが起きても「こういうことが起きるのはいい方向に行く前触れだよ!」と切り返されるのだそう。
リスクヘッジ、万が一に備えて想定して動く…など「石橋を叩いて渡る」ことは経営にはとても大事なことだとはわかっていますが、もしかしたら「逆境やネガティブなことを跳ね返すポジティブさ」も重要なのかもしれません。
参加者の皆さんはカフェ経営やマクロビに興味のある方はもちろん、夫唱婦随ならぬ婦唱夫随!なご夫妻のファンも多くご参加くださいました。
交流会ではお二人によるクリスマスを意識した美味しくて温まる軽食で和やかに楽しく。
そして参加者お一人お一人には手書きのメッセージ付きのお土産も!
参加者の皆さんはもちろん、スタッフも感動!
お人柄や心遣いも人気店の秘訣なんだろうな、と数日早いクリスマスプレゼントをいただいた様な温かい心持ちになる新・社長塾でした。
ファシリテーター・レポート フリーアナウンサー 小村悦子
アシスタント 加藤雅史