2019年1月24日

一人一人を大切に

【ゲスト社長】株式会社フレンズ企画 代表 稲葉昌子さん

http://www.friends-hairsalon.com/company.html

▪️専業主婦から美容室経営者へ

若い時に美容師免許を取得したものの、実家の料理屋さんの手伝いをし、その後すぐに結婚し、専業主婦として家庭に入り、子育てに専念していました。
40歳を迎え、子育ても落ち着いた頃、新聞を読みながら「60歳になったとき、自分はどういう生き方をしているのだろう。」と考える様になりました。
先の人生を見つめて「 何か始めたい < 私には美容師免許がある < 自分が綺麗でいることができる美容室を開きたい 」という考えにたどり着いたのです。
とは言え美容師としての経験が無かったので、開業するまでの期間に都内へ勉強に通いました。
経営に関しては商売人の両親を子供の頃から見ていたので、感覚としてはありましたが、経営に関する本をたくさん読んだり、周りの能力の高い人達に助けていただきました。
そして、信頼のできるスタッフと巡り会い、フレンズ1号店を開くことが出来ました。
オープニングスタッフは今も一緒に頑張ってくれています。

 

▪️とんとん拍子で人気店に

5面の席を設けた取手店はオープンから間もなく、とんとん拍子で顧客も増え人気店となりました。繁盛して自信がつき、3年目にして牛久に2号店を出店することが出来ました。
振り返ると技術力というよりも流行をキャッチして、その人に何が合うかを常に考え、自分の感性を信じて施術していました。来店したお客様がその私の感性を支持してくださったのだと思います。
私は自分で教育したスタッフを心から信頼してお店を任せていました。
時には失敗される事も有りましたが、「こんな事もあるのか、こういう事も起きるのだなぁ」と気づかされ、学びにつながりました。
誠実で信頼し合えるスタッフがいてくれた事も人気店を継続出来た理由のひとつです。

▪️必要必然な出来事

一度だけ心から切ないと感じた事がありました。
それはある時スタッフの一人が担当した高校生のお客様のご希望に添えず、トラブルに。
オーナーである私はお客様を含めた高校生5~6人を相手に店先のコンクリートに額を付けて土下座をして謝罪しました。
その時はとても切ないと感じましたが、「これが私の仕事なのか。」と改めて自覚した経験でした。
経営者としての失敗といった事ではなく、全て知らない事が起きるので学びにしていく事が出来ました。
嫌な事でも全てはその人に起こりうる必要必然な出来事で、それが後に必ず自分の役に立ってくるのだと知りました。

 

▪️経営者のその先

今は事業継承についてあまり考えていないけれど、経営者として今の自分の年齢や責任能力を考えて管理できる体制を整えています。
私にとって働く事は転んでつまずいても、起き上がって次に進んでいくアドベンチャーみたいで面白いのです。
どんなに小さなお店でも自分が本気でやっていく仕事をしていきたいと思っています。

▪️アンケートの質疑応答

Q:ポジティブ思考にはどうしたらなれますか?

A:無理にしているわけじゃなく、生れつきの性格ですね。どんな時も笑顔でいる⺟に怒られたことが一度もない事です。今考えればいつも自分が正しいと思ってしまった満身が影響しているのかも知れません。

Q:就職でなく起業を選択した理由は?

A:自分の思う通りに仕事がしたかったからです。

Q:心に残っている嬉しかった事、楽しかった1番の思い出は?

A:お知り合いになった方の分だけあるので、たくさんあります。

Q:人を信じて大きく失敗した事は?

A:つまずく事はあっても大きく失敗したまま終わった事はありません。

Q:座右の銘は?

A:”誠実” 自分の信念の所在をしっかり持ち、人に嘘をつかない事です。

Q:スタッフに対して心掛けていることは?

A:自己や顧客管理をしてもらえるよう信頼することです。個性は大切にしつつ、プラスになるようなアドバイスをしています。

Q:好きなことへチャレンジしていこうとする人へのアドバイスは?

A:スキルのある無しではなく、好きなことであれば大成していくと思います。

 

質疑応答の最後に家庭に入って仕事をしている方へのアドバイスとして
「仕事のことは家庭に持ち込まず、話はあまりしないことだと思っています。話をしなければ、理解出来ないということで喧嘩にもなりませんからね。」

無理に理解してもらうという労力よりも家庭は家庭、仕事は仕事と境界線を引いておく事が両立する秘訣なのではないでしょうか。

稲葉社長をゲストに迎えて行われた社長塾では社長さまのご意向も受けて、後半はアンケート形式で多くの質疑応答が飛び交いました。
抜粋した形のレポートですが、失敗として捕らえがちなことも全て学びの精神をお持ちになって歩んでこられた事やまた、周りの方達との信頼関係が長く続いていくには、関わった全ての人や事柄に感謝の気持ちを大切にし、それをきちんと表していく事が秘訣であるのだと感じることが出来ました。

 

ファシリテーター:フリーアナウンサー 小村悦子

写真:宇津井写真事務所 宇津井志穂

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