龍ケ崎開催の今回の「新・社長塾 小村悦子の 社長!お話聞かせてください!」の登壇社長は子供向け英語教室「Neo English」の大西雄二さん。
ファシリテーターは高校は国際教養科で英語漬け…しかしながら社会人になってからは英語はさっぱりのフリーアナウンサー小村悦子です。
Neo Englishさんの英語学習は、大西さん考案の運動遊びをしながら行う学習法を実践しています。どうしてこのアイデアに至ったのでしょうか?
英語を子供たちに教えることができるのもご自身の生い立ちと経験から。そもそもご出身はタイ、バンコク。高校卒業までバンコクで過ごされます。5年生でインターナショナルスクールに入学するまで日本人学校で過ごした為、自宅では日本語、外ではタイ語と英語という環境。日本語中心の生活でした。インターナショナルスクール入学当初はほとんど英語が喋れない状況ながら、先に入学していたお兄様が英語で話しているのがとても格好良く思えたことと、そして世界各国からやってきた同級生たちとの遊びの中で英語を習得した経験がいまに生きています。
大学は日本の大学を選び、進学のために日本に帰国。大学時代の専攻は体育。大学卒業後の就職活動でも子供と触れ合う仕事がしたい、とフィットネスジムを選び、スポーツインストラクターとして大人相手だけではなく、子供に水泳と体操を教えていらっしゃいました。
その後「海外で挑戦したい」という気持ちが芽生え、3年ほどでジムを退職。タイに戻りゴルフ場で通訳として語学力を生かし英語圏、日本語圏のお客様のサポートをされますが、オーナーの都合でそのゴルフ場は閉鎖することに。先輩からの勧めもあり日本への帰国を決断。
文部科学省が子供の運動能力の低下を問題視していることを在学中から学んでいたこと、そして2020年から英語教育が大きく変わる、と知ったところに大学時代の先輩から「子供に英語を教えて欲しい」と頼まれたことがきっかけで子供に英語を教える機会を得ます。そもそも勉強嫌いの子供だった大西さん。子供達が楽しく学べることはないか?と考え運動と組み合わせることを思いつきNeo English設立に至ります。世間のニーズとマッチングしてた!?
現在ご家族はインストラクター時代の同僚だった奥様と可愛い盛りの二人のお嬢様。奥様も教室の空き時間にベビーヨガを教えたりしているそう。インストラクター時代に子供と触れ合い楽しくお仕事をされる大西さんの姿を見ていたから、奥様もNeo Englishでの起業に反対はなかった、とのことです。
タイからの帰国は「成るように成るかな」で日本に帰国し、起業。
「ポジティブな考え方も外国育ちだからかもしれないですね。」と大西さんは笑いながら応じます。子供の頃から「欲しいものは買う」「やりたいことはやる」という考え方だったそう。「どうしたらできるのかを考えて行動していました」とのこと。起業に必要な大胆さと行動力、目的達成意識は子供時代から培って来られていたんですね。
そもそもなぜ茨城県南地域だったのでしょう?帰国時、そして開業の地にも茨城を選んだのには理由が?ご両親は大阪ご出身だそうですが、大学は茨城県。バンコク出身の大西さんが知っている日本は唯一茨城だから。そして子供に英語を教えてくれ、と言ってくれた先輩が茨城住まいだったことも理由だとか。
茨城県民としてはとても嬉しいのですが、ご親類の多い大阪の方が血縁も有るでしょうし、また、首都東京の方が圧倒的に人口密度が多いのでニーズがありそうなイメージを持ちがちですが?大都市は選択肢に入らなかったのでしょうか?
「逆に大都市だと、ブランドネームが物を言ってしまう。自分のやり方なら田舎の方がニーズがありそう」と。おお!ここでもニーズとやりたいことがマッチング!!
準備も整い、開業届は昨年7月に提出。そして12月から教室をスタート、今年2月に開催された「第3回Macthみんなのビジネスプランコンテスト」に出場し見事、市民部門で優勝されます。
さて、実際の教室は。龍ケ崎市内に拠点としての教室を借り、取手では取手福祉会館の和室、牛久では奥様の知人のフィットネスジムの空き時間をお借りし教室を展開。
最初の集客はチラシを印刷から配布までしてくれるCMでもお馴染みのサービスで龍ケ崎を中心に募集。そしてHPとSNSも展開。チラシ6割、口コミ4割。最初は口コミの方が多かったそうですが、今はだんだんチラシが増えているそうです。
生徒さんが集まり出したきっかけはやはり口コミで、生徒が集まり出したきっかけはズバリ授業内容。別々の英語塾で英語を勉強していたお友達同士のうち、片方のお子さんは読めないのに、Neo Englishさんで始めた生徒さんは読めたそう。読めなかった方の親御さんが「どうしてうちの子は読めないの?」と疑問に思い、Neo Englishさんに変えたということです。言い方によってはネガティブに取られてしまいますが…と言葉を選びながらもお話しくださいましたが、純粋にNeo Englishさんの学習法が良かった、という端的なエピソードですよね。「内心、やってやった!と思いました。」と笑顔を見せてくださいました。
実際に生徒さんからは教えたことが小学校で英語授業が始まっているところもあり「授業で先生が黒板に書いたことがすぐにわかった!」と通っている児童達が報告してくれた。ここで「やっていることは間違いではない」と実感されたそうです。
「日本人は国際社会の中でも英語が下手。そもそも喋らないし、喋ろうともしないです。TOEICの点数より高い日本人は多くいるでしょうが、ディベートした時に僕は絶対負けない自信があります。それは僕はずっと英語を喋り続けてきてその経験を活かしてきている。
日本人は苦手意識が強く、両親は英語が喋れない、そして英語塾で勉強しても外に出れば日本語…その環境で英語をいきなりやるのは難しい。それなら読み方を覚えておけばと学校を出た時にできる。ベースを作っておけば苦手意識が確実になくなり、読み方、書き方を学んでから喋ろうか、という手順にした方が日本人には合っているんじゃないかな?と感じています。僕は逆で喋って読んで書いていた。それは海外だったから英語を喋る機会が溢れていたので、日本で習得するのは僕と逆のやり方が合っていると思っていることです。」かなりの熱量で一息に語ってくださいました。
ここで参加者から「宿題は出していますか?」との質問が。
無料でダウンロードできる英語学習アプリを寝る前に親御さんとやってね、と指導。
このほか、大西さんとお嬢さんとの会話は英語だそうですが、お嬢さんにはTVの2ヶ国語放送を録画し同じものを繰り返し見せているそう。これもおすすめする一方、子供に人気のYouTube英語番組を見せるように投げかけたり、新しい情報が入ってくるとクラスごとのライングループでお知らせします。
つまり、保護者の皆さんには生徒たちが常に英語に取り組める様投げかけているのだそうです。
「帰宅すると日本語になってしまうから、様々なものをフル活用し常にやってください、と保護者には重ねて強調してます。」とのこと。このほか、申し込み時に得意不得意、性格を書いてもらい、その生徒の特性を活かしながら授業を進めているのだとか。「子供を楽しませたいし、楽しくないと子供は続かない。生徒たちは勉強しに来ていると言うより遊びに来ていると思っている生徒も。少なくても茨城県内の中では英語嫌いな子供たちの問題を解決できているのでは?と自負があります。」頼もしい!
生徒さんの年齢層は2歳から中学一年生の14歳くらいまで。年長から小学生3年生くらいが多いそうです。言語の習得が早いのは3歳から9歳くらいまで。耳が慣れたら中学に上がっても苦労しないのだとか。ご自身がタイ語をその時期に生活の中で習得したからという経験からくる言葉ですね。
今後の事業展開は小学生でも可能な海外留学制度を作ること。生徒自身が自分の英語がどのくらい通用するかを試す場を作りたいそうです。この夏バンコクにリサーチに帰ってこられたとか。
これまでの留学イメージとは違い、近年では東南アジアで英語習得ができるそう。
自身が育ったタイ、バンコクはこの10年ほどでインターナショナルスクールが急増!大西さんの母校に第2言語が英語の子供がサマースクールを開講しているそう。
バンコクは「第二の日本」と言われるくらいお馴染みのチェーン店が展開。留学というと欧米、オセアニアがこれまで主流でしたが食が合わなくて痩せてしまった、と言う問題がない。ホームステイ先は今もバンコクに住んでいる大西さんのご両親のご自宅。サマースクールで英語、ステイ先では日本語なのでホームシックも少なく、そして滞在費も安いので、途中から家族が合流することも可能。物価がお安いのでママたちにとってはエステなどを楽しみながらの帯同もできる。
ほか、上級者コースも作って、足らないと感じる子供には充実した英語環境を提供したい、と話します。
日本人には「喋りたいけど恥ずかしいから喋らない」という人が多い。英語を喋る環境を用意するのが教える立場の務め。この夏休みにご友人にも手伝ってもらい生徒さんたちを連れた英語キャンプを行い手応えを感じられたとか。
参加者からのご質問ではお嬢さんへの英語習得のために取り組んでいることについては、なんと!「娘で試しているところもあります。どこで学んだのかお友達が思わず言ってしまったスラングを聞き取れた!と自慢されたこともあって…」とユーモアたっぷりにお話しくださいました。
そしてタイ在住時の恋愛模様まで質問が!?確かに外国人の恋人ができると語学習得は早いと聞く話ではありますね。恋愛ももちろんですが友人との会話で国民性について話したことなども明け透けに教えていただきました。
このほか少子化の現代、先は心配では?と言う質問も。「現在国の政策も少子化対策が充実して来ている。もし、対策が間に合わなかったらニーズに合わせて対応することも考えるかもしれませんがそんなに心配してません。」とやはりポジティブな答えが。
交流会では実際に教室を開いている様々な方からのご質問が飛び交い、また参加者同士名刺交換など地元龍ケ崎のケータリングや和菓子とともに和やかに行われました。
日本の子供の身体能力の低下もそうですが、義務教育で6年も学んでいるのに英語が喋れないと自覚して久しい私たち日本人。でも英語を喋りたい!子供達への期待も危機感も高まり国際社会の中の日本人の英語力を考えると問題ばかりが山積しているようですが常磐線沿いがインターナショナルな子供で溢れたら、本当に素敵ですね!そんな日も近いのでは?と未来の日本の人材に明るい夢をいただいた回となりました。
ファシリテーター(聞き手)・レポート:フリーアナウンサー 小村 悦子