2018年3月8日
~野菜の生産からこだわる飲食店~
【ゲスト社長】合同会社COMFY 長塚文洋さん
・菜食ダイニングLEAF
https://tabelog.com/ibaraki/A0803/A080301/8015552/
・ベジカフェ&レストランリコ
https://tabelog.com/ibaraki/A0803/A080301/8020411/
今回ご登壇いただいたのは、有機農家を営む傍らダイニングバー『菜食ダイニングLEAF』を経営する長塚文洋さん。
2018年2月には、市内で2店舗目となる『ベジカフェ&レストランリコ』をオープンしました。
大学を卒業後、工務店の営業をしていた長塚さんは、90歳になってもバリバリ農業をこなすおじいちゃんの姿に「カッコイイ!」と感じ、自分で農業をやりたいと思うようになりました。その後、農業生産法人への転職を経て農業を始めることに。
美味しい野菜と地元に愛される店づくりに励む農家兼飲食店オーナーです。
■サラリーマンから農家、そして菜食ダイニングへ
実家は兼業農家だったので土地はあるのですが耕作放棄地状態でした。父親は役所の人間で、自分も大学卒業後はサラリーマンだったので、初めから飲食店を経営するつもりはありませんでした。当時は千葉県印西市の農業生産法人で働いていたのですが父が亡くなり、実家には若い人が誰もいなかったこともあって、「戻ってこようかな」と思い、勤めていた会社を辞めて実家の近くに帰りました。そして、耕作放棄地になっていた土地で農業を始めました。
『菜食ダイニングLEAF』のコンセプトは「野菜をもっと食べてほしい」という想いもあって、自分で育てた野菜を提供することにこだわっています。
農業は時期によって波があるので、飲食店の方が安定した収入になっています。今の時期は野菜が高騰していることもあって、外に出した方が高いこともありますが、店で料理として提供した方が畑の収入もあがります。
4年前にオープンした当初、当時の店はビルの2階と立地もあまり良くなかったこともあって、最初の頃はお客ゼロなんていう日もありました。
お客様が少ないうちは昼間の畑と夜の店を一人でやっていたのですが、店が忙しくなるにつれて畑が疎かになってしまい、野菜の出来が悪くなってしまった。そのためお店はスタッフに任せ、畑に集中することにしました。
■飲食店を始めたきっかけとは
農業は、種を蒔いてから収穫できるようになるのに、作物によっては一年くらいかかるものもあるので、それまでの収入がない。会社を辞めた時は子供が生まれたばかりだったこともあり、一年間収入がないわけにもいきませんでした。そこで、飲食店を始めることにしたんです。
大学時代にフードコンサルでアルバイトをした経験があり、店舗を大きくしていく過程やメニューの開発の仕方などを見てきたので、自分の中では飲食店は始めやすかったんです。
お金を借りたらすぐ工事に入って、お金もなかったので友達も一緒につくってくれて、会社を辞めて2ヶ月くらいで店をオープンしました。
親には一切相談せず、何も言わずに見守ってくれた妻に感謝しています。
当初の『菜食ダイニングLEAF』は、不動産屋さんで空いているところを紹介してもらいました。その時市場価格も全然わからなかったので条件を出すことも知らず、出された賃料で即決してしまったので、後になってちょっと高いかなと言われたりします。
本当に何も知らないままお店探しをしていたので、不動産屋の最初の1件目は「条件がないと検討がつきません」といって断られた覚えがあります。
■『ベジカフェ&レストランリコ』の想い
『菜食ダイニングLEAF』は夜の営業なのでお酒がメインになり、あまり野菜を食べてもらえないこともあったので、野菜をいっぱい食べてもらいたいという想いで、野菜を全面に出し、食事を中心とした『ベジカフェ&レストランリコ』をオープンしました。自分も子育て世代ということもあり、子供と一緒に行けて、安心して食べられる野菜のある店がコンセプトです。
いま、『菜食ダイニングLEAF』は人に任せていますが、昼はお店の前でお弁当の販売をしています。
■もっと野菜づくりの技術向上を目指して
今後はお店を増やすというより、今以上に野菜をしっかり作れるように技術を上げていきたいと思っています。
自分で野菜を売る商売もしてみたいです。お客様から教わることも多いので、直接話ができる直売所のような形ができたらとも思っています。
意志の強さが動かすもの
自分のやりたいことが明確にわかっていると、意志の強さが出てくる。と本部長の吉田はいいます。
長塚さんは「野菜を食べてもらいたい」という想いで飲食店をはじめましたが、昼間の畑仕事もあって夜しか営業できず、飲み屋の要素が強くなってしました。それでも野菜を食べて欲しいという想いで、2店舗目のレストランをつくりました。
「野菜を食べてほしい」というブレのない想いがあります。
そして、一生懸命動き続けると、不思議なことにチャンスや情報が入ってくる。「やってみる」ということが大事。ともいいます。
「まずやってみる」ことは、次のステップにつながる一歩になると感じた社長塾でした。
ファシリテーター:フリーアナウンサー 小村悦子
写真・レポート:宇津井写真事務所 宇津井志穂