最初にイタリアに行ったのは20歳のとき、ツアーで旅行をしたのですが、料理が美味しくなかったんですよ。ツアー用の料理、旅行者向けの料理だったので本気じゃなかったのかもしれませんが。でも、そこから興味を持って、勉強し始めたんですよ。
その後、イタリアの専門学校に行ったときに食べた料理には感動しました。こんなに違うものなのかと。そのときに食べた料理の中で一番美味しかったのは、ミネストローネです。ぶつ切りの野菜を煮て、塩をちょっと入れただけの簡単なまかないだったのですが、めちゃくちゃ美味しくて。食材の違いが大きいと思いますが、日本の食材を使って、どこまで近づけられるかですね。イタリアに行ったことはすごく良い経験になっています。
藤代でしっかりやっていきたいですね。お店を開いて6年経っても「ここにイタリア料理店があったんですね」と言われることもあるんですよ。今まで広告を出さないというスタイルでやってきました。これからもこのスタイルを続けていきます。
イタリア料理を知らない人がまだまだいるので、パスタ、ピッツァだけではないイタリア料理を知っていただきたいです。半年ごと、1年ごとでもいいので、誕生日や結婚記念日などの特別なイベントのときに「あそこに行けば、必ず美味しい料理が食べられる」と思っていただけるようなお店でありたいですね。
これから起業する方々、独立する方々にエールをお願いします。
不安や恐怖はあるかもしれませんが、成し遂げたときの達成感を味わってほしいです。良いも悪いも自分が一番上の立場なので、感動はとても大きなものです。私もオープン日のことは一生忘れません。ゼロから作り上げた空間の中で、お客様に「美味しかったよ」「ありがとう」と言われたときの感動は今までに味わったことのないものでした。これから起業する人にはこの感動をぜひ味わっていただきたいですね。