創業140年以上ということですが、代々受け継がれている思いはありますか?
法子さん:私がお嫁に来たとき、「どなたが来られても、同じ接客をするように」と教わりました。初めてお店にいらっしゃった方も、よくいらっしゃる方も、少しのお買い上げの方も、たくさん買っていただいた方も、どなたにも同じように接することをいつも心がけていますが、なかなか難しいことですね。
光一さん:私も、難しいことですが、分け隔てなくお客様に接するように心がけています。
それから、お客様の満足感と安心感を大切にしていますよ。展示会のときなどは、問屋さんやお手伝いの人を何人か頼むのですが、朝礼の時、ノルマなどは設けず、「お客様のほうから『また来年も声をかけてくださいね』と言われるくらいに楽しんでもらってください」と言っています。今回お買い上げがなくても、必要なときにご来店していただければいいわけですから。
また、お着物のお手入れも承っています。高価なお着物ですので、永く大切に着ていただきたいからなんです。
光一さん:30年くらい前に局番が82と83で下4桁が2446(ふじしろ)の電話番号を運よく取得したんですよ。「藤代」という土地、地名が好きなのはもちろんですが、お客様に覚えていただきやすいですから。
初めてのお客様などには話題にもなりますし、記念に2,446円均一セールを開催しましたよ。
これから起業する方々、独立する方々にエールをお願いします。
光一さん:業種にもよりますが、強いポリシーを持って、芯がブレないようにやっていってほしいですね。最初は上手くいかないことも多いでしょうが、最初だからできることもあると思うのです。失敗を恐れずに、カッコ悪くても地道にいけばいいのではないでしょうか。
法子さん:ポリシー、芯というのは、自分の扱う商品が「好き」というところから生まれるかもしれませんね。主人も私もお着物が大好きなんですよ。でもなかなか奥が深くて、未だに勉強中です。
光一さん:「好き」が一番じゃないですか。この気持ちを忘れずに、始めた以上は永く続けていってほしいですね。それと、同業者と仲良くすることも大切ですよ。切磋琢磨することがお客様へのサービスにつながると思いますので。