vol.178
合同会 社COMFY
長塚 文洋さん
Title
「農業の楽しさは『信頼できる食べ物』を作れること」
市内で人気飲食店を経営する長塚文洋さん。自分たちの畑で野菜を育てて、その野菜を使った料理をお店で振る舞う、新しい農業従事者のスタイルとして注目を集めています。最近では食育にも注力しており、収穫体験や子ども食堂なども開催。「農業」を軸にどんどん枝葉を広げていますが、「起業当時からきっちりと展望があったわけではないんです」とご本人。飲食店を始めたきっかけもひらめきから。農業は種をまいてすぐに商売になる仕事ではないので、その間の利益を確保するために思い付いたそうです。実は長塚さんの祖父母も小規模ながら畑を耕していました。自身も農家として独立しようと思ったのは、新卒で就職した工務店での営業時代のこと。「仕事を通じて知り合った農家のおじいちゃんやおばあちゃんがパワフルで、俺もこんなふうになりたいって思いました」。農家としての第一歩は、祖父母の農地からスタート。今では野々井に数カ所の畑を持ち、仲間と共に野菜の成長を見守っています。5歳と3歳の2児のパパでもある長塚さん。親になったことで子どもが口にする食べ物の大切さを改めて感じました。2018年にオープンした「Vegecafe&Restaurant LICO」も、子どもも大人も安心して食べられるメニューを提供したいという思いから生まれたそう。今やスーパーなどに行けば、一年を通じてどんな野菜でも手に入る時代ですが、野菜には旬があり、食べる野菜によって季節を感じられるもの。自分が小さい頃に祖父母から享受してきた当たり前のことを、今の子どもたちにも伝えていきたいと考えています。「信頼できる食べ物を自らの手で生み出せることが、農業の魅力であり面白さ。食や体験などを通じて、楽しみながら子どもたちに知ってもらえたらいいですね」