女性で運送会社を率いるのはご苦労があったのではないですか?
平成3年に先代である主人が亡くなって引き継いだのですが、多くの従業員がいましたので辞めるという選択肢はありませんでした。運送業は男の世界、女がやるものじゃないなと思いましたね。周りは恰幅のいい男性、そして先輩ばかり。そんな方々に支えられ、今があると思います。
性格は変わらないと言われますが、性格は変わっていく、環境に対応せざるを得ないので作らされていくと思います。私の中に隠れていた性格が表に出たのかもしれませんね。創立50周年を迎えましたが、長く勤めてくれている従業員に感謝しています。
人との出会いを大切にしています。仕事だけではありませんが、やっぱり人が大事ですね。運送業は運転手がお客様をはじめ、多くの人と出会う機会が多いので、運転手を育てることも大事だと考えています。
私は運転手を怒ることはしません。運転手がトラックを電柱にこすってしまうこともあります。言うのは「同じことを二度と繰り返すなよ」ということだけです。事務所に対しては怒ります。事務所で決められたものをみんなが流していくので、運転手が安心して運転できるようにしなければいけないし。これからも運転手を育てていこうと考えています。
継ぎなさいと言ったことはありません。9月に就任した3代目社長が高校2年生のときに先代が亡くなりました。大学卒業後、就職したのですがその会社でリーダー的な立場になってから辞めると迷惑をかけるので、先代の7回忌のときに「入れてください」と言ってきました。私ひとりで決められることではないので、班長に了解をとり、10年前に入ることになりました。私が25年間、務めあげた経営理念は崩さず、大学で勉強したシステムエンジニアの知識を活かし、努力を惜しまず頑張ってくれることを望みます。