vol.163
Atelier+café ju-tou
堤 京霞さん
Title
「手間をかけた料理をゆっくり楽しむ。 こんなお店が1軒くらいあってもいいかなって」
料理上手な母親の影響で、小さい頃から食に興味があった堤さん。大学卒業後は中国料理の先生の下で、17年間料理を学びました。マクロビオティックに出合ったのは、2005年のこと。何気なく手に取った雑誌の記事に共感し、早速日々の食事に取り入れたそうです。その後、その道の大家・久司先生のスクールへ通うことに。習っている中国料理をマクロビ食にアレンジしていることを話すと「そういう人はあまりいないから講師を目指しては」と背中を押されました。
2007年から吉祥寺で講師を始め、我孫子、取手、つくばで教えてきましたが、3.11の震災を機に吉祥寺以外の教室は休業。それなら地元でできることをしようと、体に優しい食事が楽しめるカフェの開業を決意しました。既製品は使わず全て手作りし、食材も吟味。仕込みも買い出しも堤さんがほぼ1人で行うので、深夜まで翌日の準備がかかることも。「効率という点でいえば決してよくはありませんが(笑)、妥協はしたくないんです」と話す堤さん。時間に追われて食事も適当になりがちな現代において、誠実に食と向き合う堤さんの料理は、貴重な存在なのかもしれません。