起業セミナー第2回では、株式会社イーハイブ取締役兼統括責任者の平井良明さんに登壇いただきました。平井さんは1995年に九州工業大学大学院在学中に起業し、1997年に株式会社イーハイブ・コミュニケーションを設立、現在は同社の取締役統括責任者を務めておられます。今回のセミナーでは、新しい働き方とコミュニティの作り方をテーマに、「週2正社員」と「ブックマンション」について講演いただきました。

平井さんは経営者と従業員が共に幸せであることが大切と考えておられます。これを実現するのが「週2正社員」制度です。「週2正社員」とは短時間正社員制度のことなのですが、この時短正社員は労使が合意できれば、週1でも、週2でも正社員として雇用し、社会保険を付与することができます。平井さんは社労士でも、人事コンサルでもありませんが、平井さんが理事をする一般社団法人中小企業事業推進機構の活動の一つとしてこの新しい働き方を啓発しておられます。高齢者、障害者、介護中、子育て中の人々など、フルタイムで働くことが難しい人々にも柔軟な働き方を提供し、働き手と雇用側のミスマッチを解消することを目指しておられます。また、週2正社員制度を導入することで、社員が他社とのコラボレーションを提案するなど、新たな活動にも発展しているようです。この制度は、従業員のキャリアや成長に多様性をもたらすだけでなく、起業家が副業として週2正社員を選べば、安定した収入や生活の基盤を得ながら新しい挑戦ができる柔軟な選択肢にもつながり、起業をより身近にしていける考え方です。

 

平井さんは福岡市に隣接する新宮町(人口3万)に『多機能コワーキングスペース新宮CoCoスクエア』を8月にオープンする予定です。これはクラウドファンディングと有志からの出資で立ち上げるもので、コワーキングスペース、シェアオフィス、ミニコールセンター、セミナールーム、個別相談ブース、ブックマンション&レンタルボックス、寺子屋コーナーなどが含まれる多機能施設です。

その中の「ブックマンション」とは、30cm×30cmの区画棚に自分の好きな本やハンドメイド作品を置いて販売するシステムのことで、ボックスのオーナーになると半日店長として活動でき、自分の企画した読書会や勉強会を開くことも可能です。この取り組みは新たなコミュニケーションハブとして、内外から注目されています。

施設内にはミニコールセンターも設置され、中小企業向けの電話対応や問い合わせのデータベース化が行われ、地元の方言や地名に即対応できる地域密着型のサービスとして運営していくとおっしゃっていました。このような場が副業や創業の支援にもなり、地元の人々の集いの拠点として賑やかなコミュニティスペースになることが期待されています。

セミナーの最後には、「ありがとう」「ありのままに」「やってみよう」「なんとかなる」という4つの言葉を大切にしながら、小さなチャレンジを積み重ねていくことの重要性を強調。参加者は平井さんの魅力的な話術に引き込まれ、新しい働き方とコミュニティづくりについて熱心に耳を傾けていました。

平井さん、ありがとうございました。

協力:起業家のための共学共創コミュニティ*とりでコネクテッド

レポート:稲葉桂子

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