~「人生の一瞬を永遠に記録する写真館」~

 

2017年8月9日、第15回社長塾&交流会を開催致しました。起業をし、継続していくためには、時代の流れを読むことも大切です。今回は、その時代の流れに合わせて事業の在り方に変化をかけた男性社長様をインタビュー致しました。

 

■生活の中にあった写真館

今回ゲストにお迎えしたのは、取手市東で写真館を営む「株式会社 石引写真館」社長石引卓さん。お爺様の代から続く写真館で、石引さんで3代目。先代の頃は写真館がお住まいになっていて、朝から晩まで仕事と一緒に過ごすことが当たり前だったのだとか。生まれた時から写真が身近にある生活をしていたと語ってくれました。
取手市では一番古い写真館で、創業は1953年(昭和28年)1月1日。2000年に石引さんのお父様が家業を継がれ、株式化にしたそうです。その後、2013年に石引さんご自身が社長へ就任。しかし、就任までの期間のなかで写真の在り方に変化が起きていることを感じていたのだそうです。

■時代の流れで変わった写真の在り方

石引さんが子どもの頃、カメラはまだ高価なものといわれる時代。撮影には技術を必要とされていたので、当時写真館に来店するのは「写真をきちんと残そう」という思いがあったのが理由だったのだとか。しかし時代は変化し、スマートフォンで誰もが手軽にいつでもきれいな写真を残せる技術が生み出され、写真業界に激変が起きたのだそうです。それは、きちんと残すことだけでなく世界観を求める人が多くなったのだとか。
写真への思いが変化した今、石引写真館での経営の成り立ちとしては6割が市内や近隣エリアの学校卒業アルバムで利益を得ているのだそうです。残りの4割は、七五三や成人式などの節目の撮影やピアノ発表会などの撮影依頼がなのだとか。土曜・日曜に仕事が多く入るらしく、学校が修学旅行のシーズンになると旅行先に1ヶ月間行ってしまうこともあるそうです。そのため、スケジュール管理をきちんと行うことが大切と語ってくれました。

■廃業が多い写真業界

学校卒業アルバムでの新規参入をする写真館は非常に少なく、逆に廃業をしてしまうところが多いのだそうです。写真業界の高齢化により、後継者がいなければ事業を畳んでしまうらしく廃業された写真館が引き受けていたお客様が流れてきて、自分のお客様になることはよくある話なのだとか。現在、取手市内で写真館を営む30代は石引さんを含めて2人しかいないと話をしてくれました。

 

■アルバイトから学ぶ写真技術

石引さんは学生時代、写真のアルバイトをして技術を身につけていったそうです。最初は、アサヒカメラの雑誌アルバイトから始まり、マスコミ関係、出版社などでたくさんのことを学んだのだとか。
「写真の道は厳しい」とお父様から言われ続けていたそうですが、実際にご自身でもカメラマンで食べていくことは難しいと感じていたそうです。そのために、技術を身につけていこうと行ける現場に足を運び、努力をしてきたと語ってくれました。
卒業後、お父様から師匠をつけて技術を学ぶことを奨められたそうです。しかし、石引さんは当時、会社員になることを考えていたのだとか。相談をした先輩から、「カメラマンとして引き出しは多いほうがいい。技術を学ぶためにカメラマンの多いところへ就職をしたほうがいい」と言われたことがきっかけで講談社へ志願し、見事内定。仕事は、アシスタントから始まり、現場で多くのことを学んだそうです。

■取手市をもっと盛り上げたい

生まれも育ちも取手市の石引さんは、取手市についても語ってくれました。すでにお店は無くなっているそうですが、取手市内におしゃれな古着屋さんがあったのだとか。ずっとそこで服を買っていたそうですが、実はそこの方は元講談社のスタイリストさんだったそうです。「こんな面白い人が取手にいっぱいいたら・・きっと面白いだろうな」と石引さんは感じたのだとか。地元活性化のために、素晴らしい人たちが自分の城を持って取手を盛り上げることができたら嬉しいと語ってくれました。
学生時代、写真館を継ぐことに友人からがっかりされたそうです。しかし、その時の気持ちが原動力となり、今があるのだとか。地元に密着し、人を幸せにすること。それが、仕事をしていく喜びになると話をしてくれました。 石引写真館では、世界観を大切にしたスタジオつくりを心掛けているのだそうです。撮影時間をお客様にとって特別な時間にするため、エーゲ海をイメージしたスタジオなどにしてお客様を楽しませているのだとか。写真は、幸せな家族が来る場所でそのときの楽しい思い出を集めるのが写真館なんだと話をしてくれました。
七五三やフォトブライダル、遺影撮影に合わせて衣装もたくさん揃え、着付けからヘアメイクそして撮影まで行えるようにできるようにお客様の負担を減らした写真館になっているのだそうです。

 

■仲間によって助けられた経営

事業を継いだ時、一番困ったことは経営のことだったそうです。何も分からない状態だったため、青年会議所など横の繋がりによって助けられることが多かったのだとか。相談ができる相手を見つけられたことで経営を学ぶことができたと語ってくれました。
写真によってどうしたらお客様が喜んでくれるのかをスタッフと常に考えているそうですが、時代は変わるもの。時代の変化に合わせた動きを生み出せるようにするのが今後の課題としているそうです。

 

■最後に

今回、取手市東で写真館を営む「株式会社 石橋写真館」社長 石橋卓さんにお話を伺いました。事業というのは、固執せずに時代の流れに合わせて変化させることが必要なのですね。さらに、たくさんの人に出会うことが多くの知恵をいただけるチャンスになるようです。
石引さんのように後継者として社長様になる方やすでになられた方にとって、今回のお話は参考になったのではないでしょうか。継ぐことは、先代の大切にしたものはそのままにして新たなものを生み出す力が必要になってきます。ぜひ、今回のお話をご自身の事業に活かして事業計画を立ててみましょう。

ファシリテーター:フリーアナウンサー 高木圭二郎

レポート:Fun Hands Writing しずたん

写真:JAMWorks 宇津井志穂

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