自分に課した約束を勝手に破らないことです。開店時間やラストオーダーの時間、閉店時間など、自分で決めたことを破らないという信念を貫いたから、何とか続けてこられたと思っています。
11時半ラストオーダーと決めたら、お客様が1人も来なくても、11時半までは絶対に明かりを消しません。2次会、3次会で「最後の一杯はここで締めよう」と思ってくれているお客様が来て、明かりが消えていると寂しいじゃないですか。だからたとえ1分でも破りたくないという思いを持ち続けてきました。
怠ける気持ちは相手の方に伝わってしまうと思うんですよね。だから、お店に立つ以上は常に緊張を解きません。無理をしているわけではなく、だらけている自分を戒めているんですよ。これは自分との闘いですね。
お店をしていて、くじけそうになったことはありますか?
思い返して1度として、お店を休みたい、辞めてしまいたいと思ったことはないんですよ。
今までの努力や苦労は無駄ではないと思っています。すぐに結果は出ないかもしれませんが、必ずあの時の種が芽を出したんだなと思えることがあるんです。すぐに跳ね返ってくるものではないですが、無駄ではないですよ。努力している姿は、必ず誰かが見てくれていると思って、私は続けてきました。
これから起業する方々、独立する方々にエールをお願いします。
あくまでも自分の経験ですが、用意周到に準備をして、余裕を持ってやるよりは、無我夢中でやるほうが力は出る気がします。
私は、背水の陣でお店を始めました。その時、不動産屋さんと居抜き物件の契約を交わしてから4日後くらいに開店したんですよ。徹夜でお掃除しました。カクテルの作り方が分からないので、お客さんに聞くこともありました。今思えば、あの時代だから許されたのかな。めちゃくちゃなやり方でしたが、夢中になってやっていると結果に表れてくると感じています。
スタートの時はパワーを持っていてほしいですね。考えるよりも行動が先ですよ。