お菓子などの詰め合わせ包装専門会社として26年、主に企業間での取引をされているということですが、仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?
私の信条は、正直に、感謝の心を忘れずに、急がないでコツコツやることです。このことを続けていると、不思議と「神風」が吹くんですよ。誰かが見ていてくれるのでしょうか。とある業者に逃げられて入金がなく、大ピンチのときに、幸運にも助けてもらえる方が現れたこともありました。
「支えてくれる妻、工場長はじめ多くのパート・従業員、当社を信頼して仕事をくださるお客様、皆様のお陰で社長としての自分がいる」ということを自覚してやっています。運も事業を続けるために大事なことですから。運を逃がさないようにしないといけませんね。
私は事業計画をあまり作らないんですよ。来年の事業計画を掲げるのではなく、人件費の高騰や人手不足など5年後何が起こるのかを毎日考えながら、機械化や設備投資なども含めて、生き残るための体制作りを進めています。
今は仕事が少ないときでもパートさん全員に出勤してもらっています。リパック(パッケージ詰め替え)は単純作業に見えますが、実はいろいろな技術があるんですよ。それを覚えてもらう機会にしています。苦手な作業がある人には、もう1人付けて、2人作業で技術の向上を目指しています。この技術力が強みとなり、製品のレベルが上がり、お客様に喜んでいただくことにつながると考えています。
これから起業する方々、独立する方々にエールをお願いします。
起業するときの志を忘れずに頑張ってください。晴れの日もあれば、雨の続く日もあると思います。事業の進め方に決まったやり方はありませんので、うまくいかないときは臨機応変に進め方を見直してください。
時には立ち止まる勇気も必要だと思います。経営の決断は、責任を負って1人で決めなければならないけれど、辛いときは弱音を吐き、良いときは喜びを分かち合える、そんな仲間をたくさん作ってください。