人生100年時代。定年退職後や子育て後の第二の人生をどう過ごす? 自分のための時間が増えるリタイア後こそ、新たなことを始めたり、長年温めた夢をかなえたりするチャンスかもしれません。

  林 博之さん

1951年生まれの68歳。電機メーカーの企画開発部門に40年間勤務し、定年退職後に取手市役所を経て取手市商工会で、ネット通販「とりで本舗」をオープン。2018年10月に「とりで生涯現役ネット」の現職に。シェアスペース「スタジオ505」代表も兼任。

恒川 敏江さん

1943年生まれの76歳。家業の造園業を手伝いながら子どもたちを育て上げ、51歳で環境問題に興味を持つ。有用微生物群を活用した、生ごみ処理、海や河川の浄化活動などを行う「緑の会」を立ち上げ、2000年にNPO法人化し理事長に。

シニアだからできる新しいことへの挑戦

恒川さん今の事業は51歳のときに、ボランティア活動から始めました。生ごみを堆肥に変える有用微生物群(EM菌)を知り、共感してくださる家庭へ紹介していったんです。その8年後に取手市からモデル事業としてやってみないかと声を掛けていただきました
林さん水を浄化するEM団子や整流ブロックも扱われているんですよね。私も家のメダカを飼ってるすいれん鉢に使わせていただきました
恒川さん市内を中心に、海や河川の水質浄化にも精を出しています。現地に出掛けたり、ブロックやEM団子を会員みんなで作っています。知的障害者施設「つつじ園」にも協力いただいてます。
林さん76歳とは思えないほどアクティブ!私どもの「とりで生涯現役ネット」は、シニアの就労や起業、地域参加の支援をしています。恒川さんのような元気なシニアを増やすのが目的です。
恒川さん50を過ぎて、こんなに夢中になれることに出合えるなんて…と自分でも驚いています。
林さん実は窓口には、定年後はそれまでの仕事とは別のことをやりたい、という相談が結構あるんです
恒川さんそれは少し意外でした!堆肥化事業のシルバーさんは、前職の経験を生かした提案をされることが多いので。
林さんもちろん、経験はシニアの強みの一つ。ただ、子育てが一段落して、これからは収入のためでなく自分のために本当に好きなことをしよう、という方も一定数いらっしゃいます。

シニアの元気が街の元気に!

恒川さんでも、その一方でおうちに閉じこもっている方も多いと聞きます。
林さん取手市の人口は約10人。そのうち3割程度がシニア世代なので、3万人が市内にいらっしゃるはずなんですが、街であまり見掛けない。
恒川さんもったいないことです。
林さん町内会やイベントに参加するなど、まずは地域活動から始めるのもいいと思うんです。
恒川さん外に出て、人と接する機会をつくること。それが新しい生きがいにつながるかもしれませんね。私たちの活動にも気軽に参加いただければ。
林さんただ、強みのはずの「経験」がデメリットに働いてしまうケースもあって。人の意見を柔軟に聞き入れられなかったり、現役時代のポストに縛られて、不遜な態度になってしまったり…。
恒川さんそんな方もぜひ殻をやぶっていただきたい! 何かに本気で取り組むと楽しいし、知らず知らずのうちに仲間も増えます。私が25年続けられたのは、会員さんの協力があったからこそです。
林さんシニアがいつまでも元気に活躍すること。それが地域活性化のカギになると私も信じています。  
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