Match取手廃業相談員の西澤です。前回は「廃業を取引先にどう伝えるのか?」について書かせて頂きました。家族や取引先などに、廃業を予定しているという事実を適切に伝えいいくと同時に実際の手続きを進めていくことになります。これが一人で進めていくにはなかなか大変な仕事になります。
そこで、誰と一緒に取り組んでいくのかという問題が出てきます。だれが一番最初に頭に浮かぶでしょうか?普段お付き合いをしている税理士さん、法律関連の顧問をしてもらっている弁護士の先生、仕事仲間の社長、一番信頼している部下などなど。 100社の廃業があれば100通りに廃業があるので、適切な人はそれぞれ違うと思います。
士業の先生を廃業のパートナーに選ぶ方もいると思います。だだ、ここで注意しないといけないのが、普段お願いしている先生方も、廃業・破産・倒産・民事再生などの経験が豊富にあるかというと以外とそうではないという事実です。特に、地域の弁護士先生の場合は企業の顧問から離婚問題はたまた土地の紛争問題など、ある意味「何でも屋」的に受けているケースが多いです。そうすると首都圏の先生のように、「この業種に特化している」「この手続きの経験が豊富」という訳にはいかなくなります。また、弁護士の先生はあくまでも法律上の手続きを専門的に扱うだけなので、ビジネスの仕組みに詳しいかというと、そうではないパターンもあります。
一方で、税理士の先生は毎年の決算をお願いしたり、場合によっては月次の数字の進捗を確認したりする中で、弁護士の先生よりは会社のビジネスに近い存在と言えます。長い期間顧問税理士をお願いしていた先生が「そろそろ廃業ですか」と受け止めてくれた上で、廃業というプロジェクトを一緒に進めるパートナーになってくれれば一番理想的ともいえます。一方で、税理士の先生にとっては「廃業する=顧問先ではなくなる=お金が入らない」という事になります。先生の中には、顧問先の業績が傾くと積極的には関わらないようにするタイプの方もいらっしゃいます。当たり前の事ですが、今後お金にならない相手とは仕事をしたくない訳です。
弁護士の先生も税理士の先生も廃業のパートナーとして、帯に短し、たすきに長しとなった場合、誰にお願いしたらよいかという事ですが、ここで役割としてあがってくるのが「廃業コーディネーター」になります。廃業を考える企業の経営者と、それぞれの領域の専門家が適切に廃業というプロジェクトを進めていけるように進行管理や全体の取りまとめを担っていく、プロデューサー的な仕事になります。
ネットで検索すると廃業コンサルタントや廃業コーディネーターといいったワードでヒットするサービスや人を探す事ができます。そうした方に相談をして、自社の廃業プロジェクトを上手にとりまとめてもらう事も一つの方法かと思います。
そうした方にお願いするにせよ、そうでないにせよ、あなたが廃業という大きなプロジェクトに取り組んでいく際は「廃業コーディネーター」の役割が必要になってきます。もし誰にもお願いする事が出来なければ、その役割は自分でしないといけません。その上で、「ウチの廃業はこうやって進めていきたいと考えているけど、本当に大丈夫なのかな?」と思った時に相談できる複数の相手はもっておいた方がいいでしょう。大廃業時代を向かえる日本にとって廃業コーディネーターの果たす役割はますます大きくなっていく事が考えられます。セカンドオピニオン的に廃業について聞いてみたい場合は、お気軽にMatch取手廃業相談員に相談くださませ。
<このコラムの著者>
西澤佳男 プロフィール
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過去の記事はこちら
①廃業ってどうするの?中小企業ができる4つの廃業プラン
②今できる廃業の準備“はじめの一歩”
③廃業を誰に相談するのか?
④従業員さんに廃業をどう伝えるか
⑤家族に廃業をどう伝えるか
⑥廃業を取引先にどう伝えるのか